最新記事
新興市場

「不透明感高まる」新興国市場にトランプ次期大統領の影

2024年11月11日(月)21時13分

メキシコペソもトランプ氏の勝利を受けて一時3.6%値下がりしたが、その後は急速に値を戻した。16年には8%近い下げを記録していた。

市場関係者は次期トランプ政権の歳出計画に注目し、米金融政策への影響を見極めようとしている。財政赤字が拡大すれば利下げペースが鈍る可能性がある。

フランクリン・テンプルトン・フィクスト・インカムのソナル・デサイ最高投資責任者は「金利上昇とドル高は逆風だ。関税など一部の政策も逆風になる」と述べた。


 

根強い楽観論

ただ、一部の市場については楽観論が根強い。

アムンディのシジコフ氏は、トランプ氏の対中強硬政策でインドなどが恩恵を受けるのではないかと予想。アルゼンチンも歳出削減や改革を受けて投資家が戻ってきていると述べた。

UBSアセット・マネジメントの新興国・アジア太平洋債券部門責任者、シャマイラ・カーン氏は「一部のセクターや国は、トランプ氏の勝利で恩恵を受ける可能性がある」とし、新興国への投資で多額の利益を上げることは可能だとの見方を示した。

ウクライナの国内総生産(GDP)連動ワラント債は、トランプ氏の勝利を受けて、ロシアとの戦争の終結が早まるとの期待が広がり、大幅に上昇した。

アルゼンチンの株式・債券も上昇。過激な主張で知られる同国のミレイ統領とトランプ氏の関係が緊密になるとの見方が背景だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

財新・中国サービス部門PMI、4月は7カ月ぶり低水

ワールド

クウェート、暗号資産マイニング業者を摘発 電力危機

ワールド

米軍大将ポスト2割削減を指示、国防長官「戦略的即応

ビジネス

4月の世界食料価格は1%上昇 穀物や乳製品上昇 砂
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗と思え...できる管理職は何と言われる?
  • 3
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どちらが高い地位」?...比較動画が話題に
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 6
    背を向け逃げる男性をホッキョクグマが猛追...北極圏…
  • 7
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 8
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 4
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 5
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 6
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 7
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 6
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中