物価高はクリスマスの子供も直撃 今年はサンタクロースの袋が軽めに
今年の欧米の年末商戦は、玩具の販売不振が予想されている。ロンドンの玩具店前で9月撮影(2023年 ロイター/Peter Nicholls)
今年の欧米の年末商戦は、玩具の販売不振が予想されている。懐具合の寂しい消費者が食品や生活必需品の購入を優先し、玩具を後回しにしているためで、サンタクロースの運ぶクリスマスプレゼントは少なめになるかもしれない。
世界中の消費者が高インフレと経済の成長鈍化に苦しんでおり、11月末の大型セール「ブラックフライデー」から12月末頃にかけて続く年末商戦は今年、必需品以外の商品を扱う小売業者にとってとりわけ厳しいものになると業界幹部は予想している。
「バービー人形」や変形玩具「トランスフォーマー」、ミニカーの「ホットウィール」といった人気商品が依然として子どもたちの欲しい物リストの上位を占めそうだと、英調査会社ユーロモニター・インターナショナルの家電業界マネージャー、ルー・ウィー・テックは予想する。
しかし業界幹部によると、多くの親は今年こうした商品を買うだけの余裕がない。アマゾンのサイトで最も売れ筋のバービー人形「バービー・ポップリベール」は現在の価格が19.99ポンド(24.89ドル)。また保護者のブログによると、ホットウィールの「スコーピオン・プレーセット」の価格は2020年に35ポンドだったが、英アマゾンで今年は60ポンド前後だ。
人形の「ブラッツ」のメーカー、MGAエンターテインメントのアイザック・ラリアン最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「消費者にとって今年のホリデーシーズンで最も重要なのは家族のため食事を用意することだ」と話す。
玩具メーカーのハズブロとマテルはすでに業界の販売不振見通しを示している。しかし玩具メーカー4社の幹部や専門家は、今年の年末商戦はこうした予想よりさらに厳しいものになるとみている。ラリアン氏はMGAのクリスマス商戦で、全世界の売上高が前年比で10─12%落ち込むと予想した。
育成ゲーム「たまごっち」を手掛けるバンダイのマネジングディレクター、ニック・オルドリッジ氏は、クリスマスまでの需要が昨年を下回ると見込む。小売店が品揃えを旧製品にシフトさせるため、価格はさらに下がると予想。「過去数年に供給した分の余剰があったことから、在庫一掃セールや大幅な値引きが行われている」と言う。
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