最新記事

ライフスタイル

あなたを閉塞感から救ってくれる? 猫に学ぶ生き方から、多様性の時代の哲学まで...いまオススメの本

2022年11月25日(金)17時04分
flier編集部

業界のガンと言われた会社の復活劇

100年企業のすごすぎる製紙工場
 著者:里和永一
 出版社:あさ出版
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今年で創業100年を迎える鶴見製紙は、再生紙100%のトイレットペーパーを製造し、街中にある小さな本社工場には、毎年多くの工場見学者が訪れる、知る人ぞ知る製紙会社です。

ただ、そんな鶴見製紙もかつては、工場はボロボロで人も定着せず、品質の悪いトイレットペーパーを作っては叩き売る毎日。周囲からは業界のガンとまで言われる会社でした。

そんな会社がなぜ、毎年新卒採用も行い、業界屈指のIT化を成し遂げ、業界トップクラスの売上を誇るまでに変われたのか?

本書は、鶴見製紙が人にも環境にもやさしい究極のエコ工場を目指して業務改善に取り組んできた歴史と、社員の働く環境を整備する驚きのしくみを紹介します。

「社員への価値観教育」「やる気を引き出す評価制度」「社内コミュニケーションの改善方法」など、鶴見製紙が行っている様々な業務改善の工夫は、製紙業界にかかわらず、多くの中小企業が真似したいものばかり。ぜひご一読ください。

(あさ出版 編集部 財津勝幸)

社会の閉塞感を考える対談集

多様性の時代を生きるための哲学
 著者:鹿島茂、東浩紀、ブレイディみかこ、千葉雅也、
    ドミニク・チェン、宇野重規、石井洋二郎
 出版社:祥伝社
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

書評サイト「ALL REVIEWS」を主宰する鹿島茂さんが6人の論客を迎え、現代哲学・思想、社会学、政治学の視点から、この社会の「閉塞感」を考える対談集です。各回の課題図書には6人の論客の方々の自著を選び、話を掘り下げていきます。書籍化に際し、対談の原稿を再構成し、大幅な加筆修正を加えました。

ブレイディみかこさんは「アナキズム」がテーマ。「アナキズムの核心には、『自主自立』と並んで『相互扶助』という感性があると思います。それが日本では忘れられていた気がする」と指摘します。千葉雅也さんはドゥルーズを中心に考察しますが、「私」を「時間的存在としての私」ととらえることで他者に開かれた自分でいられるという話は、実生活と結びつけて理解しやすい。

宇野重規さんはトクヴィルを中心に語りつつ「投票制度はまだまだ面白くできる余地がある」と述べます。石井洋二郎さんは「私」を論じた社会学者ブルデューを丁寧に解説。格差社会だからこそブルデューを読みたい方へ格好の入門となりました。ドミニク・チェンさんは「情報」について、東浩紀さんは「考える」ヒントを与えてくれます。まさに"今読むべき"現代思想・哲学の入門書として最適な一冊。おすすめです。

祥伝社 書籍編集部 栗原和子

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

EXCLUSIVE-FRB、シティへの改善勧告を解

ビジネス

英、金融指標の規制見直し 業界負担を軽減

ワールド

韓国、ウォン安への警戒強める 企画財政相「必要なら

ワールド

米、台湾への新たな武器売却承認 ハイマースなど11
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 10
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中