最新記事

ビットコイン

仮想通貨、イーロン・マスクのツイートで乱高下 ビットコインは大幅安

2021年5月15日(土)10時55分
暗号資産(仮想通貨)のドージコイン

暗号資産(仮想通貨)のドージコインがバイナンスでの取引で、一時20%上昇し0.5200ドルを付けた。4月20日撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは今週、週間で2月以来の大幅な下げを記録する見通し。一方、ドージコインは14日の取引で一時25%上昇した。ともに米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のツイートが材料だ。

両通貨は数カ月にわたり、マスク氏の発言を受けて乱高下している。ドージコインはマスク氏が関心を示したことから今年に入り、100倍に値上がり、ビットコインは2月にテスラが15億ドルを投資したことが明らかになり5万ドルを突破した。

しかし、マスク氏は今週、環境への懸念を理由にテスラ車の購入でビットコインを使った支払いの受け付けを停止。ビットコインは急落した

ドージコインは、マスク氏が米人気バラエティー番組「サタデー・ナイト・ライブ」のコントで「詐欺」と発言したことを受け急落、前週末以降では約30%下落している。ただ、この日はマスク氏が「ドージコインの開発者と協力して取引の効率改善に取り組んでいる。期待できそうだ」のツイートを受け上昇した。

ビットコインは直近で1.6%高の5万0503ドル。今週は13%程度の下落となる見込み。

ドージコインは直近で0.52ドル。先週付けた最高値の0.73ドルから大きく下げている。

豪ニューサウスウェールズ大学ビジネススクールのマーク・ハンフェリー・ジェナー准教授(金融学)は、マスク氏の発言がエネルギー消費の効率性に言及したものなのか、使い勝手の良さ、あるいは通貨としての適性を指しているのかは明らかでないと指摘した。

データセンターを提供するTRGによると、1取引当たりの電力消費量はビットコインが707キロワット時。これに対しドージコインは0.12キロワット時だが、商品などの購入に使用できる場は非常に限られている。

コインマーケットキャップ・ドットコムによると、ドージコインは時価総額で第4位の仮想通貨に急成長している。第2位のイーサも、今年に入り400%以上急騰。直近では3865ドルで、週間でほぼ横ばいとなっている。

こうした仮想通貨の急変動を受け、規制当局の監視が強まっている。ブルームバーグは13日、世界有数の仮想通貨取引所バイナンスの調査の一環で、米司法省と米内国歳入庁(IRS)が同社のビジネスに詳しい個人に情報提供を求めていると報じた。

OANDAのエドワード・モヤ氏は、マスク氏のツイートや市場の反応を受け、当局の監視の目がさらに強まる可能性があると指摘した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・天才実業家イーロン・マスクの奇想天外な恋
・テスラ、起こるべくして起きた「中国トラブル」
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米FDA、イーライリリーやノボなどに警告書 医薬品

ワールド

インドネシア、EUと貿易協定で合意 来週署名へ=閣

ビジネス

ベトナム株、「第2新興国市場」への格上げに自信=財

ワールド

シンガポール非石油輸出、8月は前年比-11.3% 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 8
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 9
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中