最新記事

マイク・タイソンやJay-Zも...黒人起業家が大麻ビジネスに続々参入の深い訳

BLACK STARTUPS GO GREEN

2021年4月16日(金)19時10分
ジョン・ジャクソン

210420P49_MFN_02.jpg

モンマルケットとハケットは起業を目指す黒人にノウハウを伝えたいと話す JENNIFER SKOG/MD NUMBERS


絶えず変化する法律や政策の中で、大麻関連ビジネスを始める方法はもちろん、合法的な状態をどのように維持すればいいのかは難しい問題だと、ホワイトは言う。

大麻関連企業が銀行から融資を受けることは相変わらず難しく、有色人種の場合はなおさらだと、ホワイトは指摘する。そこでサクセス・センターズのような支援が重要になる。さらに、黒人起業家は成功の手本になるというだけでも、コミュニティーへの貢献という大きな意味を持つ。

既にそうした手本は存在するが、黒人が手掛ける大麻ビジネスの数は、白人のそれにはまだ及ばない。全米で推定3万~4万社ある大麻関連企業の人種構成について、一般に入手可能な情報を提供している州は少ないが、マリフアナ・ビジネス・デイリーが17年に行った調査によると、アフリカ系アメリカ人が経営する企業はわずか4.3%だった。

この調査で、自分はマイノリティーだと申告した経営者や創業者は約19%。その内訳はアフリカ系が4.3%、ヒスパニックおよびラテン系が5.7%、アジア系が2.4%となっている。「その他」と答えた人は6.7%で、これには混血である、もしくはアフリカ系ではないが黒人であると答えた人が含まれるとみられる。

とはいえ、成長を続ける大麻ビジネスを、白人優位の世界から変えようという企業もいる。実際、黒人が経営する大麻関連企業は全米で次々に誕生しており、パンデミックの最中に事業を広げて成功している例もある。

その中には大麻の栽培農場もあればマリフアナの調剤薬局もある。食用大麻を自宅で加工する簡易オーブンなどを開発・販売する会社もある。

「黒人起業家として成功できたことだけでなく、成功のノウハウを伝えられることに誇りを持っている」と話すのは、大麻の栽培から販売まで一貫して手掛けるカリフォルニア州の会社MDナンバーズの共同設立者マリー・モンマルケットだ。

自立と成功のロールモデル

同社は昨年、創業以来最高の収益を上げた。モンマルケットはパートナーのアラン・ハケットと共に「自分たちの会社を立ち上げようと、文字どおり命懸けで何年も頑張ってきた」と言う。「アランと私は大麻絡みで服役した経験がある。だから、自分たちが身をもって学んだことを後から来る仲間に伝えられる」

成功した黒人の経営者の存在は非常に重要だと、モンマルケットとハケットは力説する。彼らの姿を見て、黒人その他のマイノリティーがこの業界で一旗揚げようと奮い立つからだ。スポーツ界などで活躍してきた黒人も進んでお手本を務めようとしている。元ヘビー級チャンピオンのマイク・タイソンは16年に大麻の会社タイソン・ホリスティックを設立。目下、高級な大麻リゾートの開発に取り組んでいる。

アーティストのJay-Zは20年に自身のマリフアナブランド「モノグラム」を立ち上げ、大麻業界への参入を目指すマイノリティーを支援するため、リアーナやDJキャレド、ミーク・ミルらから出資を集め、1000万ドルの基金を設立した。彼はウォール・ストリート・ジャーナル紙の最近のインタビューで、「手応えのある具体的な形で自分も何か貢献したいと思った」と語っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

「平和評議会」発足、ガザ超えた問題関与をトランプ氏

ビジネス

国内外の市場の変化、高い緊張感もって注視=城内経済

ビジネス

世界の石油供給過剰予測、ひどく誇張されている=アラ

ワールド

独メルツ首相「欧州は米欧関係を拙速に見限るべきでな
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の核開発にらみ軍事戦略を強化
  • 4
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 5
    飛行機よりラク? ソウル〜釜山「110分」へ――韓国が…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    「怖すぎる...」モルディブで凶暴な魚の群れに「襲撃…
  • 9
    サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化…
  • 10
    宇宙人の存在「開示」がもたらす金融黙示録──英中銀…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中