最新記事

日本経済

日本のGDP1─3月期2次速報、年率-2.2%に上方修正 民間設備投資が上振れ

2020年6月8日(月)11時36分

内閣府が発表した1─3期実質国内総生産(GDP)2次速報値は前期比0.6%減、年率換算では2.2%減となり、1次速報の前期比0.9%減、年率3.4%減から上方修正された。写真は川崎市の三菱ふそうトラック・バスの工場で5月18日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

内閣府が8日発表した1─3期実質国内総生産(GDP)2次速報値は前期比0.6%減、年率換算では2.2%減となり、1次速報の前期比0.9%減、年率3.4%減から上方修正された。法人企業統計の結果を受けて民間設備投資が前期比0.5%減から1.9%増に上方修正されたのが最大の要因。 ロイターがまとめた民間調査機関の事前予測では、予測中央値は前期比0.5%減、年率2.1%減だった。

回収率低い法企統計、実勢より上振れか

民間設備投資が上方修正された理由は、再開発や街づくりなど計画に基づく投資、倉庫など物流関係、ソフトウエア投資が底堅いため。

もっとも、法人企業統計の民間設備投資は、新型コロナウイルスの影響で集計率が下がり実勢より上振れていると一部の民間エコノミストがみている。発表後に会見した西村康稔経済再生相も、「法人企業統計は回収率が62.3%と前四半期より10ポイント程度低下しており予断を許さない。法人企業統計の確報値が公表され次第、反映できるタイミングで(1-3月期GDPに)反映したい」と述べた。

民間住宅も前期比4.5%減から同4.2%減に上方修正された。不動産仲介手数料上昇が要因。

一方、民間最終消費支出は前期比0.7%減から0.8%減に下方修正された。飲食・外食サービスが下押しした。民間在庫変動も、下方修正した。

同時発表された2019年度の実質GDPは、1次速報の前年比0.1%減から同0.0%に小幅上方修正された。西村再生相は「日本経済の地力は底堅いものがある」とコメントした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染14人 2桁台7日連続
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・韓国ではなぜ新型コロナ第2波のリスクが高まったのか
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200616issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月16日号(6月9日発売)は「米中新冷戦2020」特集。新型コロナと香港問題で我慢の限界を超え、デカップリングへ向かう米中の危うい未来。PLUS パックンがマジメに超解説「黒人暴行死抗議デモの裏事情」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドネシアのAI国家戦略、「ソブリンAIファンド

ワールド

米韓大統領が25日に会談、安全保障・経済分野を協議

ワールド

豪企業信頼感指数、7月は約3年ぶり高水準 サービス

ワールド

メキシコ、トマトに最低輸出価格設定 米の2国間合意
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 2
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 7
    【徹底解説】エプスタイン事件とは何なのか?...トラ…
  • 8
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 9
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 10
    「古い火力発電所をデータセンターに転換」構想がWin…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中