米通商代表ライトハイザーの交渉にほころび? 合意成果に与党から批判も
次の対決へ
ライトハイザー氏はUSMCA修正で、共和党議員から特定医薬品への10年間の特許保護条項を撤廃したことでも反発されている。
同党のトゥーミー上院議員は19日、先行きが非常に楽しみな新しい分野の医薬品にとって大きな挫折であり、米製薬メーカーが巨額投資のコストを回収するのが一段と難しくなると発言した。
ライトハイザー氏はフォックス・ビジネス・ニュースで、特許保護撤廃は「後戻りの動き」だと認めつつ、民主党が優勢な下院の支持を得るために必要な妥協だったと強調した。
米中の第1段階合意に関しては、そもそも15日の新たな対中関税発動前に実現したがっていたのはトランプ氏だった、と専門家の1人はみている。ライトハイザー氏は結局弁護士であって、トランプ氏が「顧客」である以上、話をつけろと迫られて中途半端な内容の合意を持ち帰ったとしてもおかしくないという。
それでもライトハイザー氏は懲りることなく、次の通商事案に向けて腕まくりしているところだ。今後は欧州連合(EU)と航空機補助金やデジタル課税、WTO改革などで対決する構えだ。同氏は「私は標的に事欠かない世界に住んでおり、やるべきことがたくさんある」と冗談交じりに話した。


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