最新記事

ネット

「軽く月10万円は稼げます」 アマゾン偽レビューを書く人はどうやって儲けるのか?

2019年11月8日(金)17時00分
横田 増生(ジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載

多数寄せられるアマゾンレビューの中には、フェイクレビューも多くまぎれている。あるフェイクレビューの作り手に話を聞いた。 iStockphoto


世界最大のインターネット通販「アマゾン」。商品にさまざまなレビューが投稿され、その特徴や魅力が可視化されることも強みの1つだ。しかし、多数寄せられるアマゾンレビューの中には、フェイクレビューも多くまぎれている。ジャーナリストの横田増生が「フェイクレビューの作り手たち」に迫った様子を、『潜入ルポ amazon帝国』から一部抜粋してお届けする。


「僕が今まで、アマゾンから0円で仕入れた商品ですか?」

そう言って、上原浩介(26歳、仮名)は、自慢げに語りはじめた。

「財布にTシャツ、靴、コンピューターのマウス、コンピューターのキーボード、イヤホン、扇風機、懐中電灯、傘、水着、犬のおもちゃ、赤ちゃん用のトレーニングパッド......。その中で一番値段が高かった商品は、ドライブレコーダーで8999円でした。全部の点数では、30点前後ですかね。転売目的で手に入れた商品です」

上原の話を聞いたのは、大阪市内にあるホテルの中にあり、自然光がよく入ってくる天窓の高い、しゃれたレストランだった。

法律にも引っかかりそうな話をあっけらかんとした態度で話す彼に、私は違和感を抱いていた。また、1時間の取材の間、彼は終始、スマホをいじり、メールやLINEのやり取りを続けており、その態度を不思議な気持ちで眺めていた。

アマゾン「偽レビュー」書く人の心理

上原は、アマゾンに五つ星のレビューを書くことを条件に、商品をタダで手に入れることを《0円仕入れ》と呼んでいた。いわゆる、フェイクレビューである。それを《0円仕入れ》と言い換えるのなら、まともな商売のようにも聞こえるのだが、やっていることは詐欺まがいの行為である。そうした私の当惑に関係なく、上原は話を得々と続ける。

「始めたのは、4、5カ月前のことですかね。友人からアマゾンで《0円仕入れ》っていうのがあるよって聞いて、ネットで検索してみたんです。フェイスブックにいくつものグループがあって、そこで出品者がレビューしてほしい商品を掲示しているんです。

僕は10グループほどに登録しました。タイムラインに流れてくる商品を見ながら、転売できそうな商品を見つけたら、投稿者にメッセージで、レビューさせてください、って連絡するんです。

梅雨の前には傘を仕入れ、夏の行楽シーズン前には自撮り棒などを仕入れる、といった感じです。出品者からの了解が出たら、その商品をアマゾンで購入して、その後、五つ星をつけてレビューを書いた後で、(決済サービスの)ペイパルを使って購入金額を全額返金してもらうんです。商品の値段にプラスアルファで500円を上乗せして払ってくれる気前のいい出品者もいました」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国が日本企業向けレアアース輸出制限と米紙報道、輸

ワールド

台湾輸出、25年は過去最高 AI需要旺盛 12月は

ワールド

デモ続くイラン、ネット遮断2日目に ハメネイ師「団

ビジネス

中国AI企業ミニマックスが香港上場、公開価格の2倍
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 7
    「不法移民からアメリカを守る」ICEが市民を射殺、証…
  • 8
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 9
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 10
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 8
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中