最新記事

日本経済

街角景気10月は増税と台風で悪化 東日本大震災以来の低水準

2019年11月11日(月)15時29分

内閣府が発表した10月の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIが36.7で、前月比10.0ポイント低下し、3カ月ぶりの低下となった。横ばいを示す50の水準は22カ月連続で下回った。企業動向関連、雇用関連、家計動向関連のすべてが低下した。写真は渋谷のスクランブル交差点で10月撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

内閣府が11日発表した10月の景気ウオッチャー調査で、景気の現状判断DIが前月から10.0ポイントの大幅低下となった。消費増税と台風の影響で家計関連の落ち込みが大きかったほか、企業部門も雇用部門もいずれも低下した。指数の水準は36.7と東日本大震災後の2011年5月以来の低水準となった。

落ち込み幅は前回増税時の14年4月の15.7ポイント低下よりは小幅となった。

10月は「消費増税や台風などの影響で、来客数は前年比2-3%減少している。売り上げも前月は駆け込み需要により増えたが、今月は14%減となっている」(近畿 百貨店)など、客の減少に関するコメントが目立つ。一方、「キャッシュレス・消費者還元の事業がスタートし、来客数が好調。今まで来店していなかった客が来店するようになった」(北海道 コンビニ)といった動きもある。

台風19号の影響で「織り込みをチラシを出稿していた小売店が被災し、チラシが中止。各種イベントも自粛傾向となり、景気は格段に悪くなっている」(甲信越 新聞販売店)といった声がある。「中国、韓国共に減少傾向が続いているため、依然として生産が上がってこない」(九州 その他製造業)など、海外需要減速の影響も続いている。

そのほかラグビーワールドカップの効果について、東北では「経済効果を期待していたが台風で開催中止となったことが響いている」(新聞社 求人広告)とのコメントがある一方、九州では「アジア以外の観光客が増加。一般飲食店のほかパブリックビューイングを行うファンゾーン等がにぎわい、平日、週末を問わず中心街に人が多い」(観光型ホテル)といった効果も聞かれる。

(中川泉 グラフ作成:田中志保 編集:青山敦子)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191119issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月19日号(11月12日発売)は「世界を操る政策集団 シンクタンク大研究」特集。政治・経済を動かすブレーンか、「頭でっかちのお飾り」か。シンクタンクの機能と実力を徹底検証し、米主要シンクタンクの人脈・金脈を明かす。地域別・分野別のシンクタンク・ランキングも。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 6
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 7
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 8
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中