最新記事

日韓関係

韓国・康京和外相「ホワイト国から除外なら安全保障協力にも影響」

2019年8月1日(木)15時44分

韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は、日本が安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る「ホワイト国」から韓国を除外すれば、日本との安全保障協力を見直さざるを得ないと語った。写真は同外相。モスクワで6月撮影(2019年 ロイター/Maxim Shemetov)

韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は1日、日本が安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る「ホワイト国」から韓国を除外すれば、日本との安全保障協力を見直さざるを得ないと述べ、除外手続きの中断を求めた。

日韓関係は日本政府による韓国向け半導体材料の輸出規制強化などを巡って悪化している。康外相は河野太郎外相と1日、バンコクで会談。しかし韓国外務省の高官は会談後、日本のスタンスに大きな変化はなかったとし、双方の溝は埋まらなかったことを明らかにした。

日本は韓国のホワイト国除外を2日にも閣議決定する見通し。

康氏は記者団に対し、除外手続きを中断するよう河野氏に要請したと説明。「日本は輸出規制の理由として安全保障問題を挙げた。もしあす閣議決定されれば、日本との安全保障協力の様々な枠組みを見直さざるを得ないと伝えた」とし、「話し合いを通じた問題解決の方法を模索するために時間が必要だということを明確にした」と述べた。

外務省の齊藤純副報道官は、ホワイト国除外について「状況を見守る必要がある」と強調。会談では河野氏が、いわゆる徴用工問題を巡る韓国最高裁の判決は国際法違反に当たるとして康氏に是正を求めたと明らかにした。その上で「日韓関係は緊張状態にあると認めざるを得ないが、双方がそうした緊張を管理しながら、相互的な方法による問題解決に向け最大限の努力を払うことが一層重要になる」とした。

*内容を追加しました。

[バンコク 1日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・ウクライナ鉱物協定「完全な経済協力」、対ロ交渉

ビジネス

トムソン・ロイター、25年ガイダンスを再確認 第1

ワールド

3日に予定の米イラン第4回核協議、来週まで延期の公

ビジネス

米新規失業保険申請1.8万件増の24.1万件、予想
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中