最新記事

仮想通貨

世界で最も危ない通貨、ビットコインが合法化?

麻薬取引に悪用されて価値が暴落したビットコインに大企業が群がり、州政府が合法化に動く理由

2014年6月19日(木)14時21分
安藤智彦(本誌記者)

熱い視線 ビットコインに再び熱い視線を送る人々 Lucas Jackson-Reuters

 悪玉か善玉か──微妙な状況にあったビットコインの合法化に向けた動きが、アメリカで活発化している。全米初の合法化を目指し、カリフォルニア州では既に法案が下院を通過。上院での本投票を残すのみとなった。

 ビットコインは、インターネットを使ったデジタル通貨で、09年に登場した。金融機関を経ずに利用者同士が直接取引できる利便性と匿名性の高さが特徴。その利点を悪用して麻薬密売の決済をしていたサイト「シルクロード」が摘発されたことで相場が暴落したこともある。その後は値を持ち直し昨年末に1100ドルを超えた後、再び暴落。乱高下を繰り返している。

 それでも今年に入り、利便性と取引コストの安さに着目した企業が法の整備を待たず導入に踏み切る例が増えており、カリフォルニア州などはこれを追認しようと必死だ。旅行サイト最大手のエクスペディアは先週から、ホテル予約時の決済手段にビットコインを導入した。決め手は、決済手数料1%という安さ。クレジットカードの決済手数料の3分の1以下だ。

 1400万人の加入者を抱える衛星テレビのディッシュ・ネットワークも受信料の支払いでの導入を決めた。ブルームバーグは既に先月から自社の顧客向け金融情報端末に、ビットコインの相場情報を掲載している。

 今月27日には、シルクロードを摘発した際にFBIが押収した約3万ビットコインが競売にかけられる。落札価格次第では、1000ドル超えのビットバブル再来もあり得る?

[2014年6月24日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米経済、26年第1四半期までに3─4%成長に回復へ

ビジネス

米民間企業、10月は週1.1万人超の雇用削減=AD

ワールド

米軍、南米に最新鋭空母を配備 ベネズエラとの緊張高

ワールド

トルコ軍用輸送機、ジョージアで墜落 乗員約20人の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 7
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【銘柄】エヌビディアとの提携発表で株価が急騰...か…
  • 10
    【クイズ】韓国でGoogleマップが機能しない「意外な…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中