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iPadは新聞も雑誌も救わない

2010年6月22日(火)14時38分
ジェイコブ・ワイズバーグ(スレート・グループ編集主幹)

 アップルは、下々の者に社の方針を説明したりメディアの問い合わせに答えたりはしない。ジョブズをばかにしたりすればすさまじい報復が返ってくる。ヌードに対してはバチカンより過敏なほど。iPad向けではファッション誌も肌の露出を最小限に抑えざるを得ず、ある編集部はこれを「イラン版」と呼んでいるという。

 ジョブズの美しく閉ざされたモデルは90年代、マイクロソフトのよりオープンなモデルに大敗を喫した。だからと言ってまた同じことになるとは限らない。iPadは見事な家電製品であり、少なくとも短期的には失敗するとは思わない。だがコンテンツ制作者は、混沌としたウェブをベルベットを敷き詰めた牢獄に置き換えようというジョブズのたくらみにだまされないほうがいい。

 カトリック教会は、美学論争では乱雑なプロテスタント教派に負けたことがない。だが革新や独自の思考ではよく負けるし、富を分け合うのも得意ではない。アップルもそれと同じではないか。

[2010年5月26日号掲載]

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