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アメリカ経済輸出増のカギはドル急落とあの「男」
オバマ米大統領は1月27日の一般教書演説で、今後5年間でアメリカの輸出を倍増すると宣言した。アメリカは60年以来、輸出倍増を十数回達成してきたが、今では容易な話ではない。
昨年のアメリカの商品とサービスの輸出額は約1兆5000億ドル。15年までに2倍の3兆ドルを達成するには、毎年15%の成長(世界のGDP成長率の3倍の速さ)を遂げなければならない。
韓国やコロンビア、パナマと自由貿易協定を結んでも、毎年の輸出額が150億ドルほど増えるだけ。米政府には世界の需要を増大させる力はない。
となると、鍵を握るのは米ドル。米ドルの価値が下がるほどアメリカの輸出は魅力的になる。米ピーターソン国際経済研究所のフレッド・バーグステン所長は、米ドル価格が1%下がると、アメリカの輸出額は200億ドル増すという。
つまり、オバマが目標を達成できるかどうかは米ドルの急落か、現在意図的に抑えられている「ある通貨」が急騰するかに懸かっている。すべては胡錦濤中国国家主席の動き次第ということだ。
[2010年2月10日号掲載]