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サム・ポトリッキオ Surviving The Trump Era
プライベートジェット旅行に、50万ドルのインドネシアの島巡り......米最高裁の保守派判事が共和党の大型献金者から受けていた「巨額接待」疑惑がヤバすぎる
トーマス判事は就任時からセクハラ疑惑が噴出し物議を醸す存在だった EVELYN HOCKSTEIN―REUTERS
<「倫理的高潔」を最も求められる立場の最高裁判事が、数十年にわたって共和党支持の不動産王からナイショで豪華な休暇や贈り物を受け取っていたという衝撃の事実が発覚>
クラレンス・トーマスは1991年に当時のブッシュ(父)大統領から最高裁判所の判事に指名されたときから、間違いなく最も物議を醸す判事だった。
アメリカ史上2人目のアフリカ系判事であるトーマスは、前職の雇用機会均等委員会(EEOC)時代の部下からセクハラを告発され、当時史上最も僅差(52対48)で辛うじて米上院の承認を得た。トーマスは一貫して無実を主張したが、人格と誠実さに対する猛烈な攻撃が相次ぎ、過去に例のない大量の反対票が投じられた。
先日、トーマスが共和党の大口献金者で不動産王のハーラン・クロウから数十年にわたり豪華な贈り物や接待を受けていた事実が明るみに出た。精巧なブロンズ像、プライベートジェットでのリゾート滞在、50万ドルのインドネシアの島巡り......。
トーマスが1人の億万長者から受け取ったプレゼントの額は、過去20年間の判事としての給与総額を明らかに上回る。しかもトーマスは、接待の事実を開示していなかった。最高裁判事への倫理面での期待を大きく裏切る行為だ。
最高裁は「財布の力も剣の力も」持たず、その組織としての機能は全面的に国民の信頼に依拠している。そのため、最高裁判事には特に高い倫理的高潔さが求められる。長い目で見れば、最高裁判事の権力は大統領よりも大きいとも言える。大統領は任期が終われば退任するが、最高裁の憲法解釈はその後何十年も生き続けるからだ。
トーマスの支援者がビジネス界の大物であるという事実は、その直接的な経済的利益がトーマスの法的判断で変わる可能性が高いことを意味する。さらにクロウがトーマスを招待した旅行やリゾート休暇には、最高裁に直接・間接的にさまざまな請願を行っている他の企業幹部も同行していた。
トーマスが接待の事実を開示しなかったことは、本来はそれを受けるべきではないと承知していたことを暗に認めるものだ。ただし、豪華な贈り物や接待がトーマスに法的・政治的問題をもたらす可能性は低い。
倫理規則やガイドラインに関しては、最高裁は政府機関の中でも特異な存在だ。憲法解釈の最高権威という地位と、その正統性を全面的に国民の信頼に依拠するという特性を考えれば、本来は利益相反の開示について最も厳格なルールを適用すべきなのに、実際には不適切な行為の定義が最も緩い政府機関だ。
「はした金」なら問題ないのか
トーマスの職務遂行に影響が出ることもなさそうだ。保守派は今回の一件を単なる空騒ぎと見なして一蹴する公算が大きい。有名人の友人が休暇をより楽しく効率的に過ごせるように、金持ちの友人が「はした金」の範囲で便宜を図るのは日常的な出来事だと主張するはずだ。
今回の調査報道の影響があるとすれば、これまでも最高裁の倫理基準の甘さを嘆いていた議会が、今後はこうした不適切な事例が起きないように、厳格なガイドラインの制定に動くきっかけを得たことだろう。
クロウがトーマスに連邦法で開示が義務付けられている便宜供与を行った可能性はまだある。今後、家宅購入やトーマスの資産の価値を大きく増やす改修・修繕工事の証拠が出てくるかもしれない。
いずれにせよ、この一件は現在のアメリカの政治状況をほぼ完璧に体現した出来事だ。かつて清廉潔白と思われていた機関に対する信頼の低下。二極化した党派的反応、そして深刻な機能不全に陥った政府機構――。
トーマスの判事としてのキャリアは、評価が真っ二つに分かれた状態で始まり、同じように評価が割れる中で終わりそうだ。この世にはずっと変わらないものもある。
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