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自国の国旗損壊を罪に問うことの深刻さを考える
日本という国は、権威主義的な国家に囲まれています。その中で、自主防衛に加えて集団安全保障体制を構築して、これに対抗しているわけです。では、その対抗する構図の中で何を守っているのかというと、自由と民主主義の理念にほかなりません。自国国旗の損壊を罪に問わないというのは、その中で守るべき理念を究極の形で象徴しているのです。
あってはならないことですが、権威主義的な周辺国との緊張が高まり、ホンモノの「存立危機事態」が到来した場合に、自衛隊が命をかけて守るものは、国旗に象徴される国の独立であることは間違いありません。ですが、自由と民主主義の理念を掲げる日本としては、自国国旗を傷つけても罪に問われないという言論の自由もまた、自衛隊員には命をかけて守ってもらうことになります。それが現在の日本の国体(国のかたち)であると思います。
仮に、こうした対抗関係は日本にとって負担なので、地理的に近い権威主義国家と和解して、その傘下に入っても良い、そう考える人がいたとします。そのような人が、権威主義に「おもねる」格好で自国国旗損壊罪の創設を主張するのであれば、まだ筋は通っていると思います。自国国旗の損壊を罪に問いたいという発想法は、20世紀に跋扈したファシズムや社会主義のような権威主義から来るものだからです。
ですが、自由と民主主義を奉じる西側同盟の理念を大事にしているはずの勢力から、「罪に問いたい」という意見が出てくるというのは自己矛盾も良いところです。何よりも、日本以上に保守的なポピュリズムが勢いを持っている現在のアメリカにおいても、この「自国国旗損壊罪」の議論が起きていないということは重たいと思います。
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