プレスリリース

ホンダモビリティランドとNTTドコモビジネス、モビリティリゾートもてぎにて最新無線技術の広域検証フィールドを構築

2025年09月24日(水)14時00分
ホンダモビリティランド株式会社(以下 ホンダモビリティランド)とNTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、以下 NTTドコモビジネス)は、モビリティリゾートもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)の広大な敷地を活用し、最新の無線技術に関する国内有数の広域検証フィールド(以下 本フィールド)を構築します。ホンダモビリティランドは広大で管理された森を有する敷地、NTTドコモビジネスは無線技術を活用した多様な産業分野におけるソリューションの知見をそれぞれ有しています。両社で構築する本フィールドを通して、多様な産業分野における無線技術を活用した課題解決と新たなユースケース開拓をめざします。

1.背景
近年、産業DX、ドローン・IoT活用、防災・減災対応など、様々な領域で無線通信の活用が急速に進んでいます。無線通信の活用にあたり、利用用途ごとのソリューション要件を満たす通信環境を構築することが求められています。
しかし、無線通信は電波暗室※1での実験やシミュレーション評価した際の品質と、実際の屋外環境での品質は異なる場合があります。特に広域な敷地の場合、トンネルや建物、土地の高低差といった複雑な地形、さらに天候の変化のような環境要因も加わることで、電波暗室などとの無線品質の乖離がより顕著になります。また、検証には通信端末がさまざまな速度で自由に移動する空間の確保も必要になります。しかし、複雑な地形を有し、通信端末がさまざまな速度で自由に移動できる、広域で管理された安全な敷地がなかったため、屋外における複数端末の同時利用時や、高速移動時の通信性能等を正確に把握することは困難でした。その結果、新たなユースケースの開拓が滞っていました。

2.取り組み概要
本フィールドは、モビリティリゾートもてぎの複雑な地形や施設環境を最大限に活用し、ローカル5G※2や無線LAN、LPWA※3、NTN※4といった最新の無線システムを用いて構築します。本フィールドを活用し、イベント時の混雑環境における高品質な通信や、ドローン・自動車の遠隔操縦に不可欠な「切れない無線」の実現に向けた検証を行い、具体的なユースケースの開拓を加速させていきます。
その先駆けとして、本フィールドを活用し、イベント業界向けにモータースポーツ分野におけるDXの推進を進めます。2025年9月26日より開催される「FIM MotoGP(TM) 世界選手権シリーズ 日本グランプリ」において、レース運営に関わる無線通信にローカル5Gを活用し、高品質なコミュニケーションの実現をめざします。具体的には、サーキット場でのイベント開催時に数万人規模の来場者がスマートフォンの無線通信を利用し、キャリアの無線基地局への通信が増大します。これにより運営に関わる無線通信が、来場者の無線通信により、通信がしづらい状態が発生するという課題がありました。
そこで、運営スタッフ間の質の高い情報連携を実現するため、サーキットコース全域をカバーするローカル5Gを、NTTドコモビジネスの置局設計※5ノウハウをもとに構築しました。この専用無線ネットワークを活用することにより、来場者の通信に左右されない安定した情報連携が可能となります。

<取り組みイメージ図>
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/546287/img_546287_1.png


3.各社の役割
本取り組みにおける各社の役割は、以下の通りです。
表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/546287/table_546287_1.jpg


4.本フィールドを活用した検証の申し込み方法
NTTドコモビジネス営業担当者にお問い合わせください。

5.今後の展開
今後、両社は本フィールドを最新無線技術の広域検証の場として様々なユースケースの開拓を実施します。特にモータースポーツ分野におけるDX分野では走行車両の各種データをリアルタイムで収集・分析し、マシンのパフォーマンスや安全性の向上に向けた取り組みや、高精細なマルチアングル映像のリアルタイム配信など、これまでにない新しい価値創出について検討していきます。
また、モータースポーツ業界のみならず、イベント業界でのエンターテイメントや警備、自動車の遠隔操縦や鉄道向け通信、ドローンの操縦や映像送信、防災など通信手段として無線を重視する分野で新たな価値創造をめざします。あわせて、業界を越えたパートナーシップを通じて、未来のユースケースを共に開拓します。


※1:電波暗室とは、外部の電波の影響を受けず、かつ内部で発生した電波を反射させないように作られた特殊な空間です。
※2:ローカル5Gとは、企業や自治体などが限定されたエリアまたは建築物内において、独自に構築・運用する専用の第5世代移動通信システム(5G)ネットワークを指します。これは、全国規模で携帯電話事業者が提供する「パブリック5G」とは異なり、利用範囲および用途を特定の目的に限定したプライベート型5Gネットワークです。
※3:LPWA(Low Power Wide Area)とは、「省電力・長距離」の通信を実現する無線通信技術の総称です。
※4:NTN (非地上系ネットワーク)とは、従来の地上にある基地局だけではなく、人工衛星やHAPS(成層圏プラットフォーム)といった、宇宙や空から電波を送受信する非地上系のプラットフォームを活用した通信ネットワークのことです。
※5:置局設計とは、需要に応じた最適なサービスエリア(電波が届く範囲)を構築するため、無線基地局の設置場所や設置方向、電波の強さなどを設計することです。

【関連リンク】
・ローカル5Gを用いた高精細・低遅延なオンボード映像伝送の実証実験を実施
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2025/0311.html


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、新たな対ベネズエラ制裁発表 マドゥロ氏親族や石

ワールド

日米が共同飛行訓練、10日に日本海で 米軍のB52

ビジネス

テスラ11月米販売台数が4年ぶり低水準、低価格タイ

ビジネス

米国株式市場=ダウ・S&P最高値更新、オラクル株急
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 7
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中