Picture Power

【写真特集】霊峰・富士が映し出すニッポンの姿

WONDER Mt.Fuji

Photographs by "WONDER Mt.Fuji"

2024年05月30日(木)15時11分
写真展『WONDER Mt.FUJI富士山〜自然の驚異と感動を未来へ繋ぐ〜』 作品紹介

【過去、現在、未来】 水晶のレンズを通した富士 瀧本幹也 ©TAKIMOTO Mikiya

< 多様な世代や国籍の写真家18人の写真家が描いた日本の象徴「富士山」。写真展『WONDER Mt.FUJI富士山〜自然の驚異と感動を未来へ繋ぐ〜』がニッポンの姿を映し出す>

太古の昔、富士山麓の地殻変動で生まれた水晶は、写真家・瀧本幹也によってレンズへと姿を変え、カメラに装着された。水晶を通して現れた富士の姿は、時空を超えた遠い「過去」を紡ぎ出す。

東京・恵比寿の東京都写真美術館で6月1日から7月21日にかけて開催される写真展『WONDER Mt.FUJI富士山〜自然の驚異と感動を未来へ繋ぐ〜』では、ここに紹介するほかに大山行男、サラ・ムーン、菅原一剛、吉田多麻希ら多様な世代や国籍の写真家18人が、それぞれの視界と視座から富士山を語る。

combo_fuji.jpg

左から時計回りに 西野壮平 ©NISHINO Sohei、クリス・スティール=パーキンス ©Chris STEELE-PERKINS、木村肇 ©KIMURA Hajime  ・詳細は次ページをご覧ください


日本人の心のよりどころである富士山は、国の鎮めの神であり国の宝と『万葉集』に詠まれ、国際的にはユネスコ(国連教育科学文化機関)が、信仰の対象と芸術の源泉として世界文化遺産に登録する神聖なる存在。一方で、近代の戦時下では戦意高揚に利用され、現在は経済優先社会のほころびが広がり環境保全が急務となるなど、世俗の波にさらされてきた。『WONDER』では、富士山が鏡となって日本を映し出す。霊峰が内包する幾多のWONDER(驚異)と対峙することは、自らを問い直す機会になるだろう。

片岡英子(本誌フォトエディター)


<写真展> 東京都写真美術館 
WONDER Mt.FUJI 富士山 ~自然の驚異と感動を未来へ繋ぐ~
詳細は上記リンク先の東京都写真美術館公式ページをご覧ください
開催期間:2024年6月1日(土)~7月21日(日)
参加写真家:山内悠、広川泰士、公文健太郎、十文字美信、ユリア・スコーゴレワ、木村 肇、エバレット・ケネディ=ブラウン、西野壮平、大山行男、クリス・スティール=パーキンス、サラ・ムーン、ココ・カピタン、ドナータ・ベンダース、野辺地ジョージ、吉田多麻希、菅原一剛、野町和嘉、瀧本幹也
【動画】会場の散策

 【連載20周年】 Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」
    2024年6月4日号 掲載

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ガザ人道財団へ3000万ドル拠出で合意

ワールド

パレスチナ国家承認は「2国家解決」協議の最終段階=

ワールド

トランプ氏、製薬17社に書簡 処方薬価格引き下げへ

ビジネス

米PCE価格、6月前年比+2.6%に加速 関税措置
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから送られてきた「悪夢の光景」に女性戦慄 「這いずり回る姿に衝撃...」
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 6
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 9
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 10
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story