コラム

ハリーとメーガンの進撃止まらず...アメリカを舞台に集めた巨額のカネと「大戦果」

2023年01月31日(火)18時50分

ソーシャルメディアが差別や憎悪を拡大しないようオンラインの未来を切り開くため、米ハーバード大学ソーシャルメディア再開発研究所でソーシャルメディアを巡る社会の最も重大な懸念に取り組む13人のフェローに資金を提供した。ハリーもメーガンも英国を脱出した大きな理由は「タブロイド」と呼ばれる英大衆紙の根拠のない誹謗中傷だったと訴えている。

ハリーとメーガンの出会いから王室離脱までを描いた『自由を探して ヘンリー王子とメーガン妃』の共同著者の1人、オミッド・スコビー氏は「運営初年度だけで1300万ドル(約16億9000万円)を集め、ワクチンの公平性、救済センター、難民再定住、より良きオンライン世界の構築などの分野に300万ドル(約3億9000万円)を寄付した」とツイートした。

成人の6割「ハリーは戴冠式に招待されるべきだ」

「3年目のアーチーウェルは『心の健康と幸福がケアされる世界というビジョンで結ばれた3つの主要な柱』に注力する。3つの柱とは、より良きオンライン世界の構築、情報への信頼回復、コミュニティーの押し上げだ」(スコビー氏)。ハリーとメーガンの天敵である英大衆紙デーリー・メールも今回ばかりは2人への称賛を惜しまなかった。

英世論調査会社Ipsos UKによると、英国成人の6割が、ハリーは5月6日の戴冠式に招待されてしかるべきだと答え、30%が招待されるべきではないと回答した。年齢層では「招待されるべきだ」との回答は18~34歳が74%、35~54歳が65%、55歳以上が47%。「招待されるべきではない」はそれぞれの年齢層で15%、26%、42%だった。

英王室や英国内の王室支持派はハリーとメーガンは王族のプライバシーを切り売りしていると非難するが、エリザベス女王という偉大な君主の後を継ぐチャールズ国王は「対立は勝者を生まない」ことを、ダイアナ元皇太子妃とのダブル不倫、離婚、悲劇の交通事故死という幕切れで嫌というほど味わっている。

21年4月、フィリップ殿下の葬儀がウィンザー城で営まれた時も言い争うウィリアム皇太子とハリーの間にチャールズ国王が入り「頼むよ、息子たち。私の晩年を惨めなものにしないでくれ」と懇願したことが『スペア』の中で明らかにされている。エリザベス女王から代替わりしたチャールズ国王は和解のための「オリーブの枝」をハリーに差し伸べ続けている。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB、バランスシート調整には時間=ベセント財務長

ワールド

情報BOX:2026年衆院選、政党別獲得議席数

ワールド

英首相の首席補佐官が引責辞任、前駐米大使とエプスタ

ワールド

台湾総統、高市首相の選挙勝利に祝意 地域課題で協力
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日本をどうしたいのか
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    背中を制する者が身体を制する...関節と腱を壊さない…
  • 7
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 8
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 9
    心停止の8割は自宅で起きている──ドラマが広める危険…
  • 10
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story