コラム

ヘンリーとメーガン夫妻、ネットフリックスとの複数年契約は252億円?

2020年09月08日(火)11時35分

やり手のメーガン夫人にしてみれば、テレビドラマ「SUITS/スーツ」のレギュラー出演から一気に「百年帝国の女王」にのし上がる読み通りの展開。まさに、してやったりというわけだ。英王室を離脱しても、公爵夫人の称号が残ったメーガン夫人は何も失っていない。

2014年に負傷した退役軍人のための国際スポーツイベント、インビクタスゲームを創設したヘンリー公爵は今年8月にNetflixで公開されたパラリンピックのドキュメンタリー映画『ライジング・フェニックス』に登場している。

しかし来年、米カリフォルニア州で開催されることになっていたインビクタスゲーム財団の寄付集めイベントへの参加を急遽、取りやめた。このイベントはアマゾンが放送することが決まっており、Netflixとの独占契約に違反する恐れがあるからだと英紙は解説している。

本末転倒とはこのことだ。メーガン夫人が「百年帝国の女王」として君臨する代償に、ヘンリー侯爵は王族の敬称を返上し、王室との絆も英軍の名誉も、そして今回、退役軍人の信頼も失った。

2人がこれからどんなに優れた番組をNetflixで発表したとしても釈然としない英国民は少なくないはずだ。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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