コラム

民衆法廷「中国は犯罪国家」と断罪 「良心の囚人」からの強制臓器収奪は今も続いている

2019年06月19日(水)16時15分

1995年、新疆ウイグル自治区のウルムチ市で外科医として勤務していたエンヴァー・トフティ氏(57)は頭を撃たれた15人の「遺体」から腎臓と肝臓を取り出すよう上司に命ぜられた。メスを入れると血液があふれ出してきた。心臓がまだ動いている、「遺体」は生きているという証拠だった。トフティ氏は今も悪夢に苛まれている。

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外科医のエンヴァー・トフティ氏(筆者撮影)

アムステルダム大学のネベンカ・トロムプ=ブルキク講師は筆者に「判事団のメンバーの信用性は非常に高く、民衆法廷では正規の手続きと同じように証拠が集められ、審議が進められた。最終裁定は『中国は犯罪国家だ』と明確に断じた。中国はもうこれまで通りにはできないし、国際社会はもっと声を上げるべきだ」と語った。


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※6月25日号(6月18日発売)は「弾圧中国の限界」特集。ウイグルから香港、そして台湾へ――。強権政治を拡大し続ける共産党の落とし穴とは何か。香港デモと中国の限界に迫る。


プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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