コラム

生き残る自動車メーカーは4社だけ? 「ゴーン追放後」の日産にXデーが迫る

2020年07月10日(金)12時18分

そもそもゴーン氏が拡大路線を追求してきたのは日産が生き残るためである。自動車業界はEV(電気自動車)化やITサービス化など100年に1度とされる変革期を迎えている。自動車がEV化された場合、一気に利益率が低下するので基本的に体力勝負となる。自動車がITサービスのプラットフォームとして使われるようになればなおさらである。

10年後の自動車業界では世界でトップ4社しか生き残れないというのは業界全体の一致した見方で、そうであればこそ各社はシェア拡大にしのぎを削ってきた。ルノーと日産は単体では中小企業にすぎず、今のままでは生き残りが極めて難しく、解決策として経営統合が模索されてきた。

だがゴーン氏の追放や今回の巨額赤字、コロナ危機などによって経営統合は事実上、白紙撤回されつつある。現時点で日産が提示しているのは単なるリストラ案であり、規模拡大が最重要課題となった今後の自動者業界で、日産がどのように生き残るのかという道筋は全く見えていない。

今から30年前、パソコン業界では今の自動車業界と全く同じことが起こっていたが、数十あったパソコンメーカーはわずか10年で数社にまで激減した。場合によっては身売りも視野に入れる必要があるほど深刻な状況だが、日本社会の反応は鈍い。

<本誌2020年7月14日号掲載>

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2020年7月14日号(7月7日発売)は「香港の挽歌」特集。もう誰も共産党を止められないのか――。国家安全法制で香港は終わり? 中国の次の狙いと民主化を待つ運命は。PLUS 民主化デモ、ある過激派の告白。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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