投資・資産運用
投資

【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業績が良くても人気が伸びないエンタメ株の事情とは

2026年02月07日(土)08時30分
岡田禎子(個人投資家、ファイナンシャル・プランナー)

なかには、昨年の上昇局面で積み上がった信用買い残(信用取引で未決済の買いポジション)が短期的に株価の戻りを抑えている銘柄もあります。

いずれにせよ、エンタメ株の企業価値そのものが失われたわけではありません。ただ、株価に反映されるまでには時間がかかる産業なのです。長期視点では強いものの、現在のテーマ相場のスピードとは噛み合いにくい。このズレこそが、いま起きている「人気と評価のギャップ」の正体です。

ソニーグループに見る、エンタメ株の「評価されにくさ」

業績は悪くないのに株価が冴えないエンタメ関連株。その象徴として、しばしば名前が上がるのがソニーグループ<6758>です。世界有数のエンタメ資産を抱えながら、株価は市場全体の上昇局面で思うように伸びていません。

ソニーグループは映画、ゲーム、音楽というエンタメ三位一体に加え、イメージセンサーなどの半導体事業も持ち、事業の質という点では日本企業の中でも屈指の存在です。

一方で、2025年10月に金融事業をスピンオフしました。この判断は、エンタメとテクノロジーに経営資源を集中する、という点で戦略的には合理的です。ただ、市場からは安定的な収益の下支えが見えにくくなった、と受け止められた側面もあります。

投資家視点に立つと、こういう問いになります。「次の1〜2年で、株価を最も強く押し上げる事業はどれか?」

ゲームは売上規模が大きい一方で部材価格や開発費の上昇を背景に投資負担も重く、映画や音楽はIP価値が高いものの利益の振れが大きい。半導体はAIテーマと接点がありますが、市場の関心はよりテーマ性の濃い銘柄に向かっています。

結果として、成長ストーリーを一本に絞りにくい、という印象を与えてしまいました。

もちろん、経営の失敗ではありません。多角化と選択と集中を進めた結果です。ただ、現在のように市場がテーマ性と即効性を重視する局面では、「優良でも説明しにくい企業」は、評価されにくくなってしまうのです。実際、株価は2025年11月の高値から約3割下落しています。

ソニーグループの株価チャート

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

LMEアルミ平均価格予想を上げ、供給混乱でゴールド

ワールド

デンマーク議会選で与党は議席減か、有権者は移民や生

ビジネス

スイス中銀、為替市場への介入準備を強化 フラン高抑

ワールド

中国、イランに和平交渉の早期開始呼びかけ 外相らが
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆保険」を達成した中国の医療保険の実態とは
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下位になった国はどこ?
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 6
    スペイン王室、王妃と王女の装いに見る「母から娘」…
  • 7
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 8
    「日本人のほうが民度が低い」を招いてしまった渋谷…
  • 9
    表情に注目...ニコール・キッドマン、大富豪夫妻から…
  • 10
    イラン戦争、トランプを泥沼に引きずり込む「5つの罠…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中