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【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒並み急騰中。三菱重工より注目の古野電気とは?

2025年12月11日(木)10時35分
佐々木達也(証券アナリスト、金融ライター)

6月には、首位の今治造船が2位のJMUの株式保有比率を引き上げ、子会社化すると発表。11月には、今治造船と三菱重工業が共同出資する次世代船の設計会社に、海運大手が資本参加すると報じられました。日本企業の強みである次世代船の設計などを共通化し、全体としての競争力を引き上げる狙いです。

造船関連銘柄は多方面で株価上昇中

こうした流れを受けて、株式市場でも造船関連銘柄への物色が広がっています。たとえば、中堅造船所の名村造船所<7014>や内海造船<7018>などは、再編期待で株価が急伸しています。

三菱重工業、川崎重工業の重工大手2社も株価は上昇しています。ただ、この両社に関しては、防衛関連銘柄、あるいは宇宙関連銘柄としての側面もあるため、造船への期待だけで値上がりしているわけではないでしょう(いずれも、造船部門のみの業績を開示していません)。

現在の株式市場で最大のテーマは生成AIですが、生成AIが拡大することへの期待で値上がりしているのは半導体メーカーだけではありません。データセンターなどに必要な光ファイバーを作る電線メーカー、さらには電気設備会社など、AIの恩恵を受ける関連銘柄が多岐にわたり急騰しています。

造船関連でも、造船会社よりも、むしろ造船部品などを手がける周辺の銘柄にこそ妙味がある、と多くの投資家は考えているようです。たとえば、船舶用塗料を手がける中国塗料<4617>や、船舶用エンジンのジャパンエンジンコーポレーション<6016>は、株価が上場来高値圏で推移しています。

なかでも、造船関連銘柄という観点では「三菱重工業よりも注目されているかもしれない」と言えるのが、古野電気<6814>。一般にはなじみのない会社かもしれませんが、船舶用レーダーなどを手がけており、投資家の期待とともに株価は一時、年初から4倍近くにまで上昇しました。

古野電気の株価チャート

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