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認知戦で狙われているのは誰なのか?──影響工作の本当の標的
FTIとFTSに現実を認識させることが最優先課題
もちろん、これはひとつの見方であって、厳密に検証されているわけではない。
当然、私自身もなにかに騙されている可能性がある。
常に多角的に考えることが必要で、この領域の現状を考えると致命的に欠落しているにもかかわらず、まったく考慮されていないことが多すぎる。
たとえば冒頭にも書いた実態の把握に関連したことだ。
・影響の実態が把握されていない
・影響の実態把握なしに大々的にメディア、専門家、政治家が情報発信する無責任が常態化している
・検証なしに対策が決定、進められている
繰り返しになって恐縮だが、優先すべきは実態の把握なのである。
認知戦を仕掛けられている、といって影響の有無も不明な攻撃の検知と対症療法的対処に予算と時間を費やすのは相手の思う壺で、欧米の真似をするのは失敗を繰り返すだけだ。
とはいえFTSであるメディア、専門家、政治家が自らの発信した情報がどのような負の影響を与え、ロシアに益する結果になった実態を明らかにするのはハードルが高そうだ。
そもそも政治家の失態はメディアが暴くものだし、メディアの誤謬は専門家が指摘するものだと思うが、トリオではめられていて、突っ込み役がいない。
3者のうち、ひとつでも実態把握に基づいた対策を考える方向に進むことを祈りたい。
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