ベネズエラで続く深刻な外貨不足、中堅・中小企業にしわ寄せ
写真はベネズエラの首都カラカスの市場でドル紙幣を数える女性。2024年8月、カラカスで撮影。REUTERS/Gaby Oraa
[23日 ロイター] - ベネズエラでは慢性的な外貨不足が一向に解消せず、特に国外から原料を輸入する上でドルを入手したい中堅・中小企業が頭を抱えている。
さまざまな制裁下にあるベネズエラは、国際金融システムから閉め出され、送金や決済のインフラにアクセスできない。
このため石油輸出で稼いだ外貨は中央銀行主導の「割り当てオークション」を通じて国内に配分される。
米国が1月にマドゥロ大統領を拘束した後、ベネズエラの石油販売は増加し、今後は物価安定や米国からの投資拡大も期待される中で、本来は国内にドル資金がより潤沢に流入してもおかしくない。
しかし専門家の試算では、現段階で入手可能なドル資金は1年前よりむしろ減少している。1月半ばから3月初めにかけてのオークションで配分されたのは13億ドルと、昨年の同時期を13%下回った。
政府は改善を約束しているものの、今のオークションは中堅・中小企業に不利な仕組みになっている。
ある中堅の医薬品製造工場の経営者は、合計3回のオークションでドル購入を申し込んだが、何の説明もなく拒否されたと明かした。
結果的にこの経営者は非公式市場での調達に動いたが、レートの条件が悪くなり、コスト吸収のために販売価格を引き上げざるを得なくなったという。
民間製造業界団体コンインダストリアが先月行った調査によると、国内中堅企業経営者の58%は、外貨不足が生産において障害になっていると回答した。
化学業界のある事業者は「オークションは極めて限定的で、参加できる企業はごく少数にとどまり、裁量的に運営されている」と指摘。この事業者も過去2カ月の全てのオークションで落札できず、非公式市場で外貨を購入せざるを得なくなった。
5人の関係者の話では、食品と医薬品、飲料、化学分野の大企業がオークションで優先的にドルを入手する権利を得ている。そのため医薬品や化学製品、プラスチック製造、IT関連などの多くの中堅企業は外貨を一切確保できないままだ。
コンインダストリアのティト・ロペス会長は、中小企業は大企業に対してサービスや中間財を供給しているだけに、中小企業の外貨不足はベネズエラ経済の回復を阻害しかねないと懸念を示した。
専門家の1人も「安定的な外貨供給がなければ、市場の安定は保証されない。十分な資金投入なしに経済活動は維持できない」と訴えた。





