アングル:ファストファッション衣料品が南アジア製造拠点に滞留、中東空域閉鎖で
2025年4月、ダッカ郊外の縫製工場で撮影。REUTERS/Fatima Tuj Johora
Ruma Paul Alessandro Parodi Helen Reid
[ダッカ 6日 ロイター] - 「ザラ」ブランドを展開するインディテックスなど世界的なファストファッション企業向けにバングラデシュやインドから出荷される衣料品が今、現地空港で足止めされている。米国・イスラエルによるイラン攻撃で中東の民間空路が閉鎖され、エミレーツ航空やカタール航空が欠航を強いられているためだ。衣料品製造の3社が明らかにした。
南アジアは衣料品生産の一大拠点で、世界中のファストファッション業界はバングラデシュ、インド、パキスタンの工場で製造されたTシャツやドレス、ジーンズなどを常に仕入れている。
しかしインディテックスやM&S、ネクスト、プライマークなどの欧州ファストファッション企業を顧客に持つバングラデシュの衣料品メーカー、スパロー・グループのマネジングディレクターを務めるショボン・イスラム氏は「一部の当社委託生産品は現在、ダッカの空港で動けなくなっている」と明かした。
イスラム氏は「本来ドバイ経由で英国に送られるはずだったが、ドバイの空港が機能を停止しているため、われわれは非常に難しい状況に置かれている。代替ルートを探そうとしているが、複雑ではなくコストを節約できるルートは存在しない」と話す。
2月28日のイランへの攻撃開始以来、中東のほとんどの空域は閉鎖が続いており、世界屈指の便数が行き来しているドバイの空港も通常通り稼働できず、カタール航空やエミレーツ航空、エティハド航空などの多くの便が欠航している。
シドニーのコンサルティング会社トレード・アンド・トランスポート・グループのマネジングディレクター、フレデリック・ホースト氏は、南アジア地域は通常、こうしたペルシャ湾岸諸国の航空会社の旅客便、一部は貨物専用便を利用して、製品を出荷していると指摘した。
バングラデシュからの航空貨物の半数超、インドの41%が湾岸経由で、エミレーツ航空とカタール航空が大半を運んでいる。
インディテックスの2023年の年次報告に基づくと、同社が契約するサプライヤーはバングラデシュが150社、インドが122社、パキスタンが69社だった。直近の年次報告では国別のサプライヤー数は公表されていない。同社は輸送混乱に関するロイターの取材に回答していない。
<空輸料金は高騰>
空輸能力が急減するとともに、貨物料金は跳ね上がっている。
インド西部ムンバイに拠点を置き、インディテックスやオーストリアのアパレル企業向けに革ジャケットを製造するキラ・レダーのマネジングパートナー、アレクサンダー・ナタニ氏は、自社製品をムンバイからオーストリアに空路で輸送する際の料金は、欠航が相次いだことで2倍になったと述べた。
ナタニ氏は「現在運航中の航空会社は貨物輸送スペースが全面的に塞がっているので、料金は上がり続けている。パキスタンの委託生産品は工場にとどまり、ムンバイの委託生産品は2日にスイス航空に受け入れてもらっている。彼らが実際に空を飛び、万事無事に進むことを願うしかない」と語る。
南アジアからの出荷の混乱について質問を受けたプライマーク、H&M、M&Sは、出荷の大半は船便になっていると答えた。
バングラデシュ・ニットウエア製造輸出業者協会のモハンマド・ハテム会長は「中東での空域閉鎖による貨物便の運航停止は、既に航空貨物輸送に支障を生じさせている」と説明した上で、イランとオマーン、アラブ首長国連邦(UAE)を隔てるホルムズ海峡が事実上閉鎖されたままになれば、海上輸送コストも増大すると付け加えた。
ハテム氏は「全体的に心配している。新しい大きな危機が迫っているのが見える」と警戒感をにじませた。





