海運大手マースク、紅海ルートの定期運航を再開
Terje Solsvik
[オスロ 15日 ロイター] - デンマークの海運大手マースクは15日、スエズ運河を経由した紅海ルートの定期運航を再開すると発表した。再開後の最初の便となるのは、26日にオマーンのサラーラ港を出発する中東・インドと米東海岸を結ぶ毎週運航のコンテナ船サービス「MECL」。
イスラエルの攻撃を受けたパレスチナ自治区ガザへの連帯を示すとして、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が2023年終盤に紅海で船舶への攻撃を開始。海運各社はアフリカの喜望峰沖を通るルートに切り替えたが、紅海ルートの再開は世界貿易の混乱を収めるための重要な一歩となる。
マースクは理由について「この決定は、スエズ回廊を含めた紅海周辺の情勢の安定化が続き、地域での安定性と信頼性が改善したことを受けたものだ」とコメントを出した。
マースクの株価は発表後、5%超下落した。喜望峰ルートより短距離の紅海ルートへ段階的に戻すことにより、荷主からの運賃低下が見込まれるためだ。
マースクは紅海ルートの定期運航再開は顧客に「最も効率的な輸送時間」を提供することが目的だとし、ルートの切り替えで貨物運搬の所要期間が1週間短縮される可能性があるとした。理論上はコスト削減にも寄与する見込みだ。
海運業界の市場分析プラットフォームを提供するノルウェー企業ゼネタのチーフアナリスト、ピーター・サンド氏は「主要海運会社の中でマースクは紅海航路再開に関して最もリスク回避的な姿勢だったため、これは転換点だ」とし、今回の動きを「極めて重要だ」と評した。
他社の輸送機関を利用して貨物運送を取り扱うフォワーダー、スキャン・グローバル・ロジスティクス(デンマーク)のマッズ・ドレイヤー最高商業責任者(CCO)は、海上輸送の顧客にとってリスクと安全性が引き続き最優先事項である一方、大部分の顧客は紅海とスエズ運河を経由することによる輸送時間短縮を歓迎すると話した。
マースクは12日、同社の船舶1隻が紅海とバベルマンデブ海峡を航行したと発表。同社は昨年12月にも別の船舶を使って試験航行していた。
クラークソンズ・リサーチによると、スエズ運河は欧州とアジアを結ぶ最速ルートで、フーシ派による攻撃の前には世界の海上貿易の約10%を占めていた。
フランスの海運会社「CMA CGM」はこれまでに、安全が確保されればスエズ運河と紅海を経由して船舶を運航すると表明していた。
ドイツの海運会社ハパックロイドの広報担当者は現時点では運航計画を変えない方針だとしながらも、状況を注視しており、マースクの対応が情勢を変えたとコメントした。
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