マクロスコープ:立公新党で54選挙区逆転の試算も、自民「究極の野合」
写真は国会議事堂。2021年5月、東京で撮影。 REUTERS/Kim Kyung-Hoon
Tamiyuki Kihara Yoshifumi Takemoto
[東京 15日 ロイター] - 急転直下の「高市解散」に対応するため、立憲民主党と公明党が新党を設立する方向となった。次期衆院選で共闘する。両党の得票数を基に前回衆院選(2024年)の結果で試算すると、自民党が勝利した小選挙区のうち54選挙区で野党候補が逆転する可能性も出てくる。ただ、自民内からは早くも「究極の野合だ」との批判が出ており、有権者の投票行動にどの程度影響を与えるのか不透明だ。
<54選挙区で逆転のデータも>
「中道を野党として分厚くしていくチャンスだ。右に曲がっていく政治に対抗し、国民生活に根ざしたことをしっかり訴える中道勢力の結集はまさにいま日本にとって大事だ」。立民の野田佳彦代表は15日に開いた党両院議員総会でこう述べ、公明との共闘による選挙戦への「効果」に自信をのぞかせた。総会では新党設立を含む対応を野田氏に一任することが決まった。立民関係者はロイターの取材に、まずは衆院議員による新党を設立し、2月にも実施される次期衆院選に臨む方向であると述べた。
立民、公明の共闘を後押しするデータがある。24年10月の衆院選の結果に当てはめた場合、公明が各選挙区で獲得した比例票に公明支持者の想定割合を掛けた「純粋公明票」が自民候補の得票数から抜けると、自民が勝利した132選挙区のうち29選挙区で野党系候補が逆転することになる。さらに、「純粋公明票」がそのまま野党系候補に上乗せされると仮定した場合は54選挙区で逆転する。
立民は高市早苗首相の高い人気や昨年の参院選で議席を伸ばした国民民主党に押される形で、「受け皿になり切れない」(党関係者)状態が続いていたとも言われる。党内には公明との共闘を機に存在感を増し、他の野党も巻き込んで政府与党に対して反転攻勢に出たいとの声が出ている。ある立民幹部は「単独で選挙戦に臨んだら負けは見えている。公明と一緒になれば、政権交代に向けて有権者の支持を得られるのではないか」と話す。
<「大義なき解散」VS「究極の野合」>
高市氏による通常国会での早期解散を巡り、立民と公明は批判を強めてきた。野田氏は自身のソーシャルメディア(SNS)で「物価高や円安への対応など国内の経済対策、米国や日中関係などの東アジア・国際情勢の安定化など、内外ともに山積する課題への対応には、一刻の猶予もありません」と投稿。「解散により政治空白をつくることは、国民生活を軽視するもので、全く大義がありません」とした。公明の斉藤鉄夫代表もSNSで「物価高、円安、金利上昇の中で、どう国民の暮らしと日本の安定を守るのか。この一点に、政治は真正面から向き合うべきです」と発信している。
両党は「大義なき解散」を選んだ高市氏への批判を強調し、有権者に支持を訴える構えだ。
一方、立民と公明の新党結成に関しては、自民からは早くも批判の声が上がる。公明が26年続いた自公連立から離脱してから3カ月ほど。昨年末の補正予算案への対応では立民と公明が共同で組み替え動議を提出したものの、最終的には立民が予算案に反対、公明は賛成と判断が分かれた。もともと政策的には近いとされてきた両党だが、自公政権下では多くの法案で対応が分かれてきたのも事実だ。
自民のある参院議員は「政策もろくにすり合わせないまま選挙が迫っているからと共闘を決める。選挙目当ての究極の野合だ」と気色ばむ。そもそも24年の衆院選は裏金問題で自民に激しい向かい風が吹いていたとされることもあり、「高市人気で自民に戻る票と離れる公明票を考えれば実際の影響は大きくないだろう。むしろ攻撃材料が一つ増えた」とも述べた。
立民内にも共闘の「効果」をいぶかる声がある。ある西日本選出の衆院議員は公明の支持母体である創価学会と溝がある宗教団体から支援を受けてきたほか、公明と深く対立してきた共産党とも良好な関係を築いてきた。公明との共闘でそうした支持者が離反しかねない状況に、同議員関係者は「離れる票も少なくない。党執行部はその辺をしっかり考えているのか」と首を傾げる。
<学会から「内密にして」>
「学会票」がそのまま立民候補に移るかも不透明だ。立民執行部は13日、各都道府県連代表あてに、地元の公明代表や学会代表に面談を申し入れ、選挙支援を要請するよう通達を出した。ただ、立民のある県連代表は地元の学会代表から「面談に来るのはいいが、内密にしてほしい」と言われたと明かす。長らく続いた自公政権下で、自治体によっては議会レベルで自公協力が継続しているところもある。「学会代表はこうした現状に配慮したのだろう」と、この県連代表は述べた。
落選中のある自民前職は最近、地元の学会幹部から「学会内も一枚岩ではない」と告げられた。立民と公明が共闘しても引き続き応援する学会員もいる、との趣旨だ。この前職は「共闘が自民にとってどこまでマイナスになるのか、正直つかみきれない」と語った。
自民、立民、公明それぞれに思惑と懸念が渦巻く。衆院選の結果次第では、大きな政界再編につながりかねないほど各党の足場は不安定だ。高市氏は19日、記者会見を開いて解散理由や国民に問う政策について説明する。
(鬼原民幸、竹本能文 編集:橋本浩)
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