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ブラジルの2015年ダム決壊事故、英高等法院が豪BHPの責任認める

2025年11月17日(月)10時46分

[ロンドン 14日 ロイター] - ブラジル南東部マリアナ市近郊の鉄鉱石鉱山で2015年に起こったダム決壊事故を巡って英高等法院は14日、オーストラリアの資源大手BHPグループの責任を認める判決を下した。

この事故ではダムに貯留されていた有害物質が大量に流出し、19人が死亡、数千人が家を失ったほか、森林が破壊され、河川の汚染をもたらすなど環境破壊も発生。市民数十万人や十数の地方政府、2000社近い企業が、ブラジルの資源大手バーレとともにこの鉄鉱石鉱山に出資する豪BHPを提訴し、最大360億ポンド(480億ドル)の賠償金支払いを求めていた。

バーレに対しては2024年に、ダム決壊で被害を受けた企業約1000社と市民7万7000人余りが24年にオランダの裁判所に対して別途訴訟を起こしている。

高等法院のフィノラ・オファレ判事は判決で、安全ではない状況でダムの高さを上げ続けたことが決壊の直接かつ即時の原因であり、ブラジルの法の下でBHPが責任を負うと述べた。

BHPは控訴して裁判を継続する方針を表明。BHPの幹部は、ロンドンの裁判では原告24万人がすでにブラジルで補償を受けており、英国の集団訴訟における請求の規模と金額は大幅に減少するはずだとの見解を示した。

ロイター
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