英賃上げ率、今後12カ月は3％維持へ 高インフレの影響弱まる

　１０月２９日、英人事データ企業ブライトマインは、国内の賃上げ率は今後１２カ月で現状の３％の水準に維持される公算が大きいとの見通しを示した。写真はロンドンの金融街。２０２３年８月、ロンドンで撮影（２０２５年　ロイター/Toby Melville）

[ロンドン ２９日 ロイター] - 英人事データ企業ブライトマインは２９日、国内の賃上げ率は今後１２カ月で現状の３％の水準に維持される公算が大きいとの見通しを示した。９月の総合インフレ率３．８％を下回る水準。雇用主の賃金決定は慎重な姿勢が優勢で、高インフレの影響が薄れるためだという。

イングランド銀行（英中央銀行）は、利下げ再開前にインフレ圧力の弱まりを注視している。

ブライトマインによると、調査対象となった雇用主のうち賃上げを予定しているのは２３％にとどまる一方、４５％が据え置き、３２％は引き上げ幅縮小を予想していた。

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、２０２２年１０月にインフレ率が１１％を超えたことから、２３年の賃上げ率は平均６％と現在の２倍だった。

ブライトマインは、支払い能力への懸念と、リーブス財務相が２４年の予算で雇用主の社会保障拠出金を引き上げる決定をしたことの影響が、賃上げの重しとなっていると指摘した。