タイ経済は来年初めに回復へ、家計債務救済策を準備=中銀総裁
10月28日 タイ中央銀行のウィタイ総裁(写真)は28日、同国経済が2025年後半に減速した後、26年第1・四半期には改善するとの見通しを示した。写真は10日、バンコクで撮影(2025年 ロイター/Athit Perawongmetha)
[バンコク 28日 ロイター] - タイ中央銀行のウィタイ総裁は28日、同国経済が2025年後半に減速した後、26年第1・四半期には改善するとの見通しを示した。ビジネスセミナーで述べた。
タイ政府は現在、一連の景気刺激策を実施している。
ウィタイ氏は、上期は輸出前倒しの影響で年率3%成長したが、下期は減速すると予想。「今年は良い年にならないだろう。第3、第4・四半期に減速し始め、来年第1・四半期に回復する見込みだ」と述べた。
中銀は、今年の成長率を2.2%、26年は1.6%と予測している。昨年は2.5%だった。
<家計債務問題>
タイでは以前から高水準の家計債務が問題になっており、国内総生産(GDP)に対する割合は6月時点で86.8%と、アジアで特に高い。負債額は16兆3000億バーツ(4977億1000万ドル)。
ウィタイ氏は、不良債権問題に取り組む必要があり、今後1─2週間で支援策がまとまると述べた。対策は、10万バーツ(3053ドル)未満の家計債務が対象で約200万人が救済される見通しという。
「家計債務問題に迅速かつ真剣に取り組まなければ、いかにGDPを押し上げようとしても制約に直面する」と述べた。
<不良債権は危機的水準にあらず>
銀行の不良債権比率は3%以上と高水準だが危機的水準ではないとの認識を示した。
政府は、不良債権の買い取りに今月100億バーツ(3億0534万ドル)投じると発表した。
ウィタイ氏によると、中銀は経営問題を抱えた中小企業の支援に向け、金融機関が既存の資産管理会社と合弁資産管理会社を設立するのを認める新たな規制を発表する予定。国内には約90社の資産管理会社があるが、活発に事業を運営しているのは約半数だという。





