ＩＥＡ「油田・ガス田の生産減が加速」、ＯＰＥＣは報告書を批判

　９月１６日、国際エネルギー機関（ＩＥＡ）は、シェール・深海資源への依存度が高まる中、世界の成熟した油田・ガス田からの生産量の減少が加速しているとする報告書を公表した。写真は、イラク南部の油田に炎が上がる様子。２０１９年９月、イラクのバスラ北方で撮影（２０２５年　ロイター/Essam Al-Sudani）

Seher Dareen

[ロンドン １６日 ロイター] - 国際エネルギー機関（ＩＥＡ）は１６日、シェール・深海資源への依存度が高まる中、世界の成熟した油田・ガス田からの生産量の減少が加速しているとする報告書を公表した。

既存油田への継続的な投資がなければ、世界は毎年ブラジルとノルウェーを合わせたのに相当する石油生産（日量５５０万バレル）を失うことになり、市場とエネルギー安全保障に影響を及ぼすと警告。ビロル事務局長は供給減を補うために投資が必要だと訴えた。

ＩＥＡは、世界が気候目標達成に真剣に取り組むのであれば新たな石油・ガス・石炭プロジェクトへの投資を行うべきではないとした２０２１年の報告書と、３０年までに石油需要がピークに達するという予測を巡って石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）と対立している。

ＯＰＥＣは１６日の声明で、２１年報告書と石油需要ピーク予測がいかに投資を抑制したかに言及していないとして、ＩＥＡ報告書を批判。「ＩＥＡがこの重要な問題で１８０度転換したのとは対照的に、ＯＰＥＣは一貫して、減少率を考慮し、需要増に対応するための石油産業におけるタイムリーな投資を提唱してきた」と述べた。