ムーディーズ、パキスタンの格付けを1段階引き上げ

米格付け会社ムーディーズは13日、パキスタンの発行体格付けを「Caa2」から「Caa1」へ1段階引き上げた。資料写真、パキスタンルピー札、2023年9月(2025年 ロイター/Fayaz Aziz)
Asif Shahzad
[イスラマバード 13日 ロイター] - 米格付け会社ムーディーズは13日、パキスタンの発行体格付けを「Caa2」から「Caa1」へ1段階引き上げた。ともに投機的等級の格付け。引き上げは対外的な財政状況の改善を理由としており、見通しは「ポジティブ」から「安定的」へ引き下げた。
ムーディーズは「Caa」を「投機的で安全性が低いとみなされ、信用リスクが極めて高い」と定義している。フィッチとS&Pグローバル・レーティングに続いてムーディーズもパキスタンの格付けを1段階引き上げたことは、同国の対外資金調達に役立ちそうだ。
ムーディーズは「Caa1への引き上げは、国際通貨基金(IMF)拡大信用供与措置(EFF)プログラム下での改革の進展により、パキスタンの対外債務の状況が改善されたことを反映した」と説明。パキスタンの債務返済能力は改善されたものの、格付け対象の主権国家の中では最も弱い水準にあるとし、Caa1の格付けの背景にはパキスタンの統治体制の脆弱さと高い政治的不安定性があると指摘した。
ムーディーズが格付けを引き上げたことについて、パキスタンのシャリフ首相は「信用格付けの向上は、経済政策が正しい方向へ進んでいることを示す兆候だ」とのコメントを出した。
アウラングゼーブ財務相はこの日、パキスタン国立銀行(中央銀行)は主要政策金利を現行の11%から引き下げる余地があるとの考えを示した。