中国の太陽光発電、下期は導入ペース鈍化か 電力改革で不透明感

中国の太陽光発電設備の新規導入が、2025年下半期に伸び悩む見通しだ。資料写真、2019年12月、陝西省で撮影(2025年 ロイター/Muyu Xu)
Colleen Howe
[北京 13日 ロイター] - 中国の太陽光発電設備の新規導入が、2025年下半期に伸び悩む見通しだ。アナリストによると、固定価格保証を廃止した電力市場改革を受けて、新規プロジェクトを巡る不透明感が浮上している。
ただ、上半期に駆け込みで設備増設が進んだため、年間では過去最高を記録する公算が大きい。
発電能力の伸び鈍化は、過剰生産と激しい価格競争に苦しむ中国の太陽光パネルメーカーにとって、新たな打撃となる。
モーニングスターの試算によると、世界の太陽光パネルメーカーの大半は中国企業で、生産能力は今年の需要の2倍以上に達している。
国家能源局のデータによると、中国の25年上半期の新規導入は212ギガワット(GW)と、24年上半期の2倍以上となった
ただ、アナリストの最新年間予測に基づくと、下半期の新規導入は前年同期のほぼ半分に減速する可能性が高い。
ナティクシスのアナリストは、25年の新規導入を300GWと予想。上半期の212GWを差し引くと、下半期は88GWの追加にとどまる計算だ。また、フィッチ・ソリューションズ傘下のBMIは年間310GWと見込んでおり、下半期は98GWの導入を予想している。
24年の増設は年間で過去最高の277GWに達した。
今年導入された電力市場改革により、再生可能エネルギープロジェクトの収益保証が撤廃され、6月以降に建設されるプロジェクトは市場価格で電力を販売する必要がある。
これにより、固定価格に慣れていた投資家は収益率を見通しにくくなった。市場の仕組みも省によって異なるため、混乱に拍車をかけている。
BMIによると、26年以降の年間導入ペースは250GW前後で安定すると予測されている