ニュース速報
ワールド

中国の太陽光発電、下期は導入ペース鈍化か 電力改革で不透明感

2025年08月14日(木)12時27分

中国の太陽光発電設備の新規導入が、2025年下半期に伸び悩む見通しだ。資料写真、2019年12月、陝西省で撮影(2025年 ロイター/Muyu Xu)

Colleen Howe

[北京 13日 ロイター] - 中国の太陽光発電設備の新規導入が、2025年下半期に伸び悩む見通しだ。アナリストによると、固定価格保証を廃止した電力市場改革を受けて、新規プロジェクトを巡る不透明感が浮上している。

ただ、上半期に駆け込みで設備増設が進んだため、年間では過去最高を記録する公算が大きい。

発電能力の伸び鈍化は、過剰生産と激しい価格競争に苦しむ中国の太陽光パネルメーカーにとって、新たな打撃となる。

モーニングスターの試算によると、世界の太陽光パネルメーカーの大半は中国企業で、生産能力は今年の需要の2倍以上に達している。

国家能源局のデータによると、中国の25年上半期の新規導入は212ギガワット(GW)と、24年上半期の2倍以上となった

ただ、アナリストの最新年間予測に基づくと、下半期の新規導入は前年同期のほぼ半分に減速する可能性が高い。

ナティクシスのアナリストは、25年の新規導入を300GWと予想。上半期の212GWを差し引くと、下半期は88GWの追加にとどまる計算だ。また、フィッチ・ソリューションズ傘下のBMIは年間310GWと見込んでおり、下半期は98GWの導入を予想している。

24年の増設は年間で過去最高の277GWに達した。

今年導入された電力市場改革により、再生可能エネルギープロジェクトの収益保証が撤廃され、6月以降に建設されるプロジェクトは市場価格で電力を販売する必要がある。

これにより、固定価格に慣れていた投資家は収益率を見通しにくくなった。市場の仕組みも省によって異なるため、混乱に拍車をかけている。

BMIによると、26年以降の年間導入ペースは250GW前後で安定すると予測されている

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

SBGとエヌビディア、ロボティクス新興に投資検討 

ワールド

独外相、中国の輸出規制による欧州産業混乱巡る問題解

ビジネス

パラマウント、ワーナーに敵対的買収提案 1株当たり

ワールド

EU、自動車排出量規制の最新提案公表を1週間延期 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    死刑は「やむを得ない」と言う人は、おそらく本当の…
  • 10
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中