米政権の医薬品関税発表は数週間先か、他の政策課題優先で=関係者

8月13日、トランプ米政権による医薬品関税の正式発表は、さらに遅れて数週間先になる公算が大きい。ホワイトハウスで3月3日撮影(2025年 ロイター/Leah Millis)
Maggie Fick Andrea Shalal Dave Graham
[13日 ロイター] - トランプ米政権による医薬品関税の正式発表は、さらに遅れて数週間先になる公算が大きい。政権が他の政策課題への対応を優先するためだ。4人の関係者が明らかにした。
米政権は4月、通商拡大法232条を根拠として輸入される医薬品が安全保障の脅威となっていないかどうかの調査に着手。実際に安全保障を損なうと判断すれば、関税導入が正当化される。トランプ大統領は、医薬品に対して最初は低く設定した税率を段階的に引き上げ、最終的に250%にする意向を示している。
ラトニック商務長官は以前、7月末までに調査報告を完了すると発言していたが、7月29日にはその時期を2週間以内と軌道修正していた。
こうした中で欧州のある政府関係者や、ホワイトハウスの政策決定に詳しい人物、また欧州の製薬会社の2人の関係者はロイターに、調査報告と関税発表はまだ差し迫っておらず、数週間先になりそうだとの見通しを示した。
欧州政府の関係者は、8月末までに関税が発表される確率は低いと予想。欧州製薬会社関係者の1人は、トランプ政権は15日の米ロシア首脳会談に注力しているので、今週中の発表はないだろうと述べた。
また2人の関係者は、トランプ政権が安全保障上の調査結果を真っ先に公表するのは半導体で、医薬品はその次になるため、2-3週間先になると説明した。