OPEC、26年原油需要見通し引き上げ 域外産油国の供給量見通し下げ=月報

石油輸出国機構(OPEC)は12日公表した月次報告書で、2026年の世界の石油需要見通しを前年比日量138万バレル増と、従来から10万バレル引き上げた。オーストリア・ウィーンのOPEC本部で2018年12月撮影(2025年 ロイター/Leonhard Foeger)
[ロンドン 12日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は12日公表した月次報告書で、2026年の世界の石油需要見通しを前年比日量138万バレル増と、従来から10万バレル引き上げた。同時に、米国など「OPECプラス」に入っていない産油国全体の26年の石油供給は日量約63万バレル増と、前月示した73万バレル増から引き下げ、市場がより引き締まるとの見通しを示した。
OPEC加盟国とロシアなどで構成する「OPECプラス」以外の地域での需要が増え、供給の伸びが鈍化すれば、「OPECプラス」にとっては市場シェアを取り戻すために増産計画を進めやすくなる。
月報で、25年の石油需要見通しは据え置いた。世界の25年経済成長率の見通しは3.0%にやや上方修正した。
OPECは月報で「米国を中心とした貿易摩擦や広範な地政学的リスクに関する不確実性は残るものの、25年後半序盤の経済データから世界経済の底堅さが確認される」と指摘した。
米国のシェールや他国の急速な生産量の増加が近年、原油価格の押し下げ要因となっていた。OPECプラスの関係筋はロイターに、OPECプラスが今年、生産量増へ政策転換したのは、米国のシェールオイル生産に対抗するためでもあると述べた。
月報によると、「OPECプラス」の7月の原油生産量は日量33万5000バレル増だった。