ケネディ米厚生長官のワクチン研究撤回要請、医学誌が拒否
8月11日、ケネディ米厚生長官がワクチンに含まれるアルミニウム成分が子どもの健康リスクを高めないことを示したデンマークの大規模研究を撤回するよう論文を掲載した米内科学会誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」に求めていた問題で、同誌が要請を拒否したことが分かった。米首都ワシントンで7月29日撮影(2025年 ロイター/Jonathan Ernst)
Michael Erman Jennifer Rigby
[11日 ロイター] - ケネディ米厚生長官がワクチンに含まれるアルミニウム成分が子どもの健康リスクを高めないことを示したデンマークの大規模研究を撤回するよう論文を掲載した米内科学会誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」に求めていた問題で、同誌が要請を拒否したことが分かった。同誌編集者クリスティ・レイン氏がロイターに明らかにした。
研究はデンマーク政府が資金を提供し、7月に同誌に掲載された。20年以上にわたり120万人以上の子どもを対象に全国のデータを分析したところ、ワクチンに含まれるアルミニウムが自己免疫疾患、アトピー性ないしアレルギー性疾患、神経発達障害を引き起こすことを示す証拠は見つからなかった。
同誌編集長で米トーマス・ジェファーソン大学の医学教授のレイン氏は「撤回する理由はない」と述べた。
英国の小児ワクチン接種の専門家でブリストル大学小児科医のアダム・フィン氏は「この研究は、ワクチンに含まれるアルミニウムの安全性に関する疑問について、現在入手できる最も信頼できる証拠だ。信頼できる、大規模で高品質なデータだ」と研究を評価した。
ケネディ氏は、この研究は「製薬業界による虚偽のプロパガンダ」で、「害が示されないように綿密に設計されている」と主張。同誌に「直ちに撤回するよう」求めていた。
ケネディ氏は以前からワクチンの安全性と有効性に疑問を投げかけており、厚生長官就任後に連邦政府による予防接種推奨手続きの全面的な転換を進めている。最近の報道によると、アルミニウムは自己免疫疾患やアレルギーと関連があると主張し、アルミニウムを含有するワクチンの見直しに着手するかどうかを検討している。
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