米原油輸出、7月は4年ぶり低水準 需要減と代替品探す動きで

米データ分析会社ケプラーによると、7月の米原油輸出が日量約310万バレルに落ち込み、コロナ禍で需要が打撃を受けた2021年10月以来の低水準となった。写真は原油タンカー。米カリフォルニア州ロングビーチの港で2022年3月撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)
Arathy Somasekhar
[ヒューストン 7日 ロイター] - 米データ分析会社ケプラーによると、7月の米原油輸出が日量約310万バレルに落ち込み、コロナ禍で需要が打撃を受けた2021年10月以来の低水準となった。国内供給の減少とアジア・欧州の買い手がより安価な代替品を見つけたことが背景。
米エネルギー情報局(EIA)によると、過去5週間の輸出は日量平均320万バレルで、6月の360万バレルを下回った。減少の背景には、欧州と米国の指標原油先物のスプレッドが縮小し、大西洋を越えて原油を輸送する経済的魅力が薄れたことがあるという。
ケプラーの主任石油アナリスト、マット・スミス氏は「市場は経済動向によって動き、企業は利益によって動くため、企業は今後も自社にとって最も安価で最適な原油を購入するだろう」と述べた。
ケプラーのデータによる7月の米国産原油のアジア向け輸出は日量86万2000バレルで、19年1月以来最低水準となったほか、3カ月平均の日量110万バレルを大きく下回った。
国別では、世界最大の原油消費国である中国への輸出が米中貿易摩擦の継続で5カ月連続ゼロとなったほか、昨年は米産原油輸出先の第2位だった韓国がほぼ半減し、インド向けも46%減少。欧州向けは6月から14%減の日量160万バレルとなった。