ゴールドマン、ブレント原油見通し据え置き 振れ幅リスク拡大と指摘

米ゴールドマン・サックスは3日、北海ブレント先物価格について、2025年第4・四半期に1バレル当たり平均64ドル、26年には56ドルになるという予想を据え置いたが、最近の情勢からベースライン予想に対するリスクの幅が拡大するとみている。写真はロシアのタタルスタン共和国で7月撮影(2025年 ロイター)
[4日 ロイター] - 米ゴールドマン・サックスは3日、北海ブレント先物価格について、2025年第4・四半期に1バレル当たり平均64ドル、26年には56ドルになるという予想を据え置いたが、最近の情勢からベースライン予想に対するリスクの幅が拡大するとみている。
3日付リサーチノートで、「ロシアとイランの制裁対象石油供給への圧力が高まっており、特に余剰生産能力の正常化が予想よりも早いことを考慮すると、われわれの価格予想に上振れリスクが生じている」と述べた。
一方で、米国の関税率引き上げ、二次的な追加関税の脅威、軟調な米経済活動データにより、日量80万バレルとしている25─26年の需要の伸びの年平均予想には下振れリスクがあると指摘した。
軟調なデータは「米経済が潜在成長率を下回るペースで推移していることを示唆している」とし、今後12カ月以内に景気後退に陥る可能性が高まったとの見方を示した。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国は3日、オンライン会合を開き、9月に日量54万7000バレル増産することで合意した。
ゴールドマンは「OPECプラスの方針は柔軟性を維持しているが、9月以降、生産割当量を据え置くとみている。経済協力開発機構(OECD)加盟国の商業在庫の増加ペースが加速し、季節的な需要の追い風が弱まると予想されるためだ」と述べた。