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太陽光パネル材料のポリシリコン、中国で生産能力縮小へ 基金創設構想

2025年08月01日(金)12時42分

 7月31日、太陽光パネルの材料である多結晶シリコン(ポリシリコン)を生産する中国企業各社が業界再編に向け、生産能力の約3分の1を買収して閉鎖するため、500億元(70億ドル)規模の基金創設を協議していることが分かった。写真は太陽光発電大手GCLの合肥市内の工場で昨年5月撮影(2025年 ロイター)

Colleen Howe

[北京 31日 ロイター] - 太陽光パネルの材料である多結晶シリコン(ポリシリコン)を生産する中国企業各社が業界再編に向け、生産能力の約3分の1を買収して閉鎖するため、500億元(70億ドル)規模の基金創設を協議していることが分かった。太陽光発電大手GCLの幹部が31日、ロイターに明らかにした。

同社幹部によると、買収により低品質なポリシリコンを生産している工場(生産能力換算で少なくとも100万トン規模)を閉鎖するという。

同幹部は基金について、「ポリシリコン業界の石油輸出国機構(OPEC)のようなものだ。基金の中央委員会が一定期間の総生産量で合意し、各社に生産枠が割り当てられる」と説明した。

基金は9月までに立ち上げられ、10─12月に過剰な生産能力や市場在庫の買収を開始するという。

同幹部は「基金の中央委は、ポリシリコンの価格を全関係者にとって有益な範囲になるよう取り組む」と語った。

習近平国家主席は今月初め、「無秩序な価格競争」の終了を呼び掛けた。3日後には、工業情報化省が業界幹部と会合を開き、価格競争の沈静化や旧式の生産設備の撤去方針を表明した。 ただ、この発言や各省庁と地方自治体の動きを受け、供給側再編への期待から、工業用商品の価格がここ数週間高騰した。ポリシリコンの価格は約70%上昇した。

ロイター
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