アルセロール、今年の世界鉄鋼需要予測を下方修正 米関税が影響

　７月３１日、欧州鉄鋼大手アルセロール・ミッタルは、２０２５年の世界鉄鋼需要予測を下方修正した。写真はロゴ、２０１６年４月撮影（２０２５年　ロイター/David W Cerny）

Anna Peverieri

［３１日　ロイター］ - 欧州鉄鋼大手アルセロール・ミッタルは３１日、２０２５年の世界鉄鋼需要予測を下方修正した。トランプ米大統領の高関税政策が主に米国での消費に悪影響を及ぼすと予想する。

中国を除く世界需要の伸び率を１．５─２．５％とし、２月時点の２．５─３．５％から引き下げた。

トランプ政権は３月、輸入する鉄鋼・アルミニウムに２５％の関税を導入。６月には大半の貿易相手国を対象に関税率を５０％に引き上げた。

国・地域別で見ると、米国は関税を巡る懸念や経済活動の抑制で需要が押し下げられ、消費量は２％減─横ばいと見込んだ。欧州は他地域より堅調で、０．５％減〜１．５％増。米関税の影響は限定的とした。

クリスティーノ最高財務責任者（ＣＦＯ）は、同社は自動車セクターへのエクスポージャーが大きいと説明。車の需要は世界的に鈍化しているとはいえ、相対的に底堅いとの見方を示した。 また欧州連合（ＥＵ）が２６年に始める「炭素国境調整措置（国境炭素税）」で、欧州鉄鋼メーカーが安価なアジア製の流入で失ったシェアを回復できる可能性があると述べた。