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トランプ氏「ガザの食料供給急務」、イスラエルの飢餓否定に疑義

2025年07月29日(火)04時38分

トランプ米大統領は28日、英北部スコットランド・ターンベリーの自身のゴルフリゾートでスターマー英首相と会談し、パレスチナ自治区ガザへの食料支援を強化する必要性を強調した。写真は26日、ガザで撮影(2025年 ロイター/Khamis Al-Rifi)

[ターンベリー(スコットランド) 28日 ロイター] - トランプ米大統領は28日、英北部スコットランド・ターンベリーの自身のゴルフリゾートでスターマー英首相と会談し、パレスチナ自治区ガザへの食料支援を強化する必要性を強調した。同時に、飢餓はないとするイスラエルのネタニヤフ首相の主張に疑問を呈し、イスラエルは人道支援のアクセスを強化できるとの見方も示した。

トランプ氏は、「多くの人々が飢餓状態にある」と指摘。その上で、イスラエルは支援の流入に大きな責任を負っており、これにより多くの人々を救うことができると述べた。

また、フェンスや境界線を設けない「食料センターを設置する」と表明。米国は他国と協力して、ガザの人々への食料や衛生用品を含む人道支援を強化していくとの考えを示した。

さらに、ガザの最優先課題は食料供給で、米国は人道支援に6000万ドルを提供しているとして、他の国々に対して支援を強化するよう求めた。27日に会談した欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長からは、支援を大幅に強化する意向が示されたとした。

トランプ氏は「われわれは多額の資金と食料を提供しており、他の国々も支援に乗り出している」とした上で、ガザは悲惨な状況にあり、飢餓に直面する多くの人々が「今すぐに食料と安全を確保する必要がある」と述べた。スターマー氏も「人道危機であり、まさに大惨事だ」と同意した。

フランスのマクロン大統領が表明したパレスチナ国家の承認意向については言及を避け、立場を明確にしなかった。

その上で、トランプ氏は、イスラム組織ハマスが人質のさらなる解放に応じないと批判。ネタニヤフ首相に対して「別のやり方が必要だと話した」と述べた。トランプ氏は「停戦は可能」だとしたが、詳細は説明しなかった。

ガザ保健当局は28日、これまでの24時間で飢餓と栄養不良で少なくとも14人が死亡し、戦争による飢餓での死者が147人に達したと発表。うち88人は子どもで、大半は直近の数週間に死亡した。一方、ネタニヤフ氏は27日、ガザに飢餓をもたらす政策は取っていないと説明した。

ロイター
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