ロシア中銀22年9月以来の利下げ、成長鈍化で 金利20%に

ロシア中央銀行は6日の理事会で、主要政策金利を1%ポイント引き下げ20%にすることを決めた。写真はナビウリナ中銀総裁(2025年 ロイター/Evgenia Novozhenina)
[モスクワ 6日 ロイター] - ロシア中央銀行は6日の理事会で、主要政策金利を1%ポイント引き下げ20%にすることを決めた。経済成長が鈍化し、インフレが緩和傾向にあることを受けたもので、2022年9月以来の利下げとなる。ロイターがまとめた市場予想は据え置きだった。金利は24年10月以降、21%で据え置かれていた。
中銀は声明で「インフレ圧力は引き続き低下している。国内需要の伸びが供給力を上回っているものの、ロシア経済は徐々に均衡の取れた成長軌道に戻りつつある」と述べた。
会合後の記者会見で、中銀のナビウリナ総裁は、政治的圧力によって利下げに踏み切ったとの見方を否定。同時に、インフレが再燃した場合の今後の利上げの可能性も排除しなかった。また会合では0.5%ポイントと1%ポイントの利下げ幅が検討されたことも明らかにした。
Tバンクのソフィア・ドネツ氏は「長期にわたる金融引き締めサイクルの転換点を迎えている」とコメントした。
ロシアの成長率は25年1─4月期に前年同期比で1.5%にとどまり、24年の4.3%から減速している。これにより、ナビウリナ総裁に厳しい批判が寄せられていた。中銀は25年のインフレ率を7─8%、経済成長率を1─2%と見込んでいる。
消費者物価は年初から3.39%上昇し、前年同期の3.88%から低下。年間インフレ率は3月に10.34%でピークとなった後、5月に10%を下回った。
通貨ルーブルは今年に入って対ドルで約40%上昇。輸入品の価格低下に寄与してきた。ナビウリナ総裁は、高金利政策がルーブル高の重要な要因であると説明。「現在、われわれは4月時点よりも為替レートの安定性に自信を持っている」と述べた。
6日にルーブルは対ドルで2.7%安。中銀は、貿易摩擦による世界的な景気減速や原油価格の下落がルーブル安を通じて再び物価を押し上げる可能性があるとし「食品とサービス部門のインフレ圧力は依然高い」とも述べた。