マスク氏去ったDOGEは間もなく消滅の公算、元職員が見通し

5月29日、米実業家イーロン・マスク氏がトランプ政権を離脱したことで、マスク氏が事実上率いてきた「政府効率化省(DOGE)」は間もなく消滅する公算が大きい――。効率化省元職員の1人がロイターにこうした見通しを示した。写真はサヒル・ラビンジャ氏。同日ニューヨーク・ブルックリンで撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon)
[29日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏がトランプ政権を離脱したことで、マスク氏が事実上率いてきた「政府効率化省(DOGE)」は間もなく消滅する公算が大きい――。効率化省元職員の1人がロイターにこうした見通しを示した。
マスク氏は28日、期間限定の「特別政府職員」としての任期切れを迎えて政権を去ると表明しつつも、効率化省の使命は今後ますます重要になると強調した。
しかし効率化省で約2カ月間、ソフトウエアエンジニアとして働いていたサヒル・ラビンジャ氏(32)は、同省はすぐに「消えてなくなる」と予想。「ひっそりとした幕切れになるだろう。この組織の魅力の大半はイーロン(マスク氏)だった」と語り、職員らはもう仕事場に来なくなるのではないかとみている。
ラビンジャ氏は5月初め、メディアに効率化省で仕事をしていると明かした後、自身のコンピューターの接続が拒否され、解雇されるに至った。ただマスク氏やチームのリーダーからは、報道関係者と接触するなというはっきりした指示はなかったという。
個人的な接触を通じて効率化省に勧誘されたラビンジャ氏は3月になってチームに合流。復員軍人省で内部の対話型人工知能(AI)の機能向上などの実績を残したことを誇りに感じているが、しばしばどのような仕事を期待されているのか途方に暮れることもあったと明かす。
ノートパソコン1台だけ持って復員軍人省にやってきたラビンジャ氏は「期待役割は何か」「どんなロードマップがあるのか」と自問したが答えは見つからず、まるで「悪ふざけをされている気分」になったという。
チームリーダーからの指示は常に電話か暗号化された通信アプリ「シグナル」を通じて出され、ラビンジャ氏がマスク氏と顔を合わせることができたのは、3月に開かれた全職員会議の1回だけだった。