中国人民銀、米国との貿易戦争への対策で景気刺激策=金融政策報告書

中国人民銀行(中央銀行)は5月9日発表した2025年第1・四半期の金融政策報告書で、国内消費と貿易を下支えするための刺激策を発表した。7日、北京で撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)
[北京 9日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は9日発表した2025年第1・四半期の金融政策報告書で、国内消費と貿易を下支えするための刺激策を発表した。米国との貿易戦争が続いていることへの対策の一環となる。
中銀の潘功勝総裁は7日、銀行の預金準備率を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、流動性を供給すると表明した。
報告書は、中銀が「適切な緩い(スタンス)」を維持し、国内外の経済状況や金融市場の動向に基づいて政策の強度とペースを柔軟に調整するとの方針を示した。また、中銀は消費や貿易、ハイテクのイノベーション(技術革新)、中小企業への支援を強化するように金融機関を指導するとした。
さらに、流動性を潤沢に保つために預金準備率と再貸し出し、公開市場操作などの政策手段を併用し、主要な消費部門に低コストの資金支援を提供すると説明。中銀は銀行に対してツーリズムと接客、娯楽、教育、一般世帯向けサービスなどの主要分野に焦点を当てた対応を強化するように指示する一方、消費インフラや物流への資金供給を増やすとした。
これとは別に中銀は9日、高齢者介護とサービス消費向けに5000億元の再融資制度を発表。中銀は人民元の為替相場を基本的に安定させ、為替レートがオーバーシュートするリスクを防ぐとの方針も改めて表明した。