英、インドとのFTA締結 EU離脱後の最重要協定に

インドと英国は6日、自由貿易協定(FTA)を締結した。2024年11月撮影(2025年 ロイター/Stefan Rousseau/Pool via REUTERS)
[ニューデリー/ロンドン 6日 ロイター] - インドと英国は6日、自由貿易協定(FTA)を締結した。市場アクセスや貿易制限の緩和を通じて、2040年までに二国間の貿易額を255億ポンド(340億ドル)増やすことを目指す。ウイスキーや先端部品、ラム肉、サーモンなどの関税を引き下げるほか、双方が自動車の輸入割当枠を設ける。
英国にとって大きな国内市場を持つインドとのFTAは、欧州連合(EU)離脱後の最も重要な協定となりそうだ。米関税措置に伴って貿易を巡る不透明感が高まる中、FTA締結の必要性がさらに高まっていた。
インドのモディ首相は「今回の画期的な合意は包括的な戦略的パートナーシップをさらに深化させ、両国の貿易や投資、経済成長、雇用創出、イノベーションを促進する」と述べた。
スターマー英首相は、貿易と経済の新たな時代に直面しているとした上で「経済連携を強化し、貿易障壁を削減することは、より強固で安全な国内経済を実現するための取り組みの一環だ」と強調した。
FTA交渉は2022年1月に始まり、両国が選挙などを挟んで断続的に協議していた。インドが英国に対し自動車などの市場を解放したことは、今後、米国やEUなどが貿易協議をする際の前例となりそうだ。
両国はそれぞれ、米政権による関税措置の緩和に向け、米国との二国間合意にも取り組んでいる。