米国債諮問委員会、連邦債務上限の撤廃を提言
[ワシントン 30日 ロイター] - 米財務省に国債発行について助言する借り入れ諮問委員会(TBAC)は29日に開いた四半期会合で、連邦債務上限の撤廃を提言した。国債返済コストを増加させて市場の変動を高め、ドルの基軸通貨としての地位を損ないかねないためだとしている。30日に公表された議事要旨で分かった。
TBACは、米国債プライマリーディーラーらで構成している。議会で審議されている債務上限に関し、政府のキャッシュバランスや政府短期証券の発行を大きく変動させ、米国債と市場参加者にボラティリティーリスクをもたらしていると指摘した。
その上で債務上限は「財政規律を向上させるどころか米国の信用格付けを損なっており、米国の準備資産という地位に影響しかねない」と切り込み、「政府の義務を果たすのに必要なだけの資金を借り入れる幅広い権限を、議会は政権に委ねる」のが望ましいとの意見を表明した。
米議会の共和党はここ数年、債務上限審議の膠着状態を利用して歳出に関する譲歩を引き出そうとしてきた。
ベセント財務長官は1月に長官就任の承認を巡る議会公聴会で、債務上限撤廃案について「微妙な」問題だとしつつ、トランプ大統領が望むなら議会と協力して撤廃すると述べていた。