ウクライナ首都に今年最大規模の攻撃、12人死亡・90人負傷

4月24日、ロシア軍は同日朝にかけてウクライナの首都キーウをミサイルとドローン(無人機)で攻撃し、少なくとも8人が死亡、子ども6人を含む70人以上が負傷した写真はロシアのミサイル攻撃を受けるキーウ。同日撮影(2025年 ロイター/Gleb Garanich)
[キーウ/モスクワ 24日 ロイター] - ロシア軍は24日朝にかけてウクライナの首都キーウをミサイルとドローン(無人機)で攻撃し、少なくとも12人が死亡、90人が負傷した。首都への攻撃としては今年最大規模となる。
ロシアによる大規模攻撃を受け、南アフリカを訪問していたウクライナのゼレンスキー大統領は、訪問日程を切り上げ帰国の途に就いた。ゼレンスキー氏は、米国が和平交渉の一環でロシアに強い圧力をかけている兆候は見られないとの認識を示している。
ウクライナ国家非常事態庁によると、攻撃によって40件もの火災が発生。キーウ市内13カ所でがれきに閉じ込められている人々の捜索活動を行われている。
キーウ市のクリチコ市長によると、最も被害が深刻なのは市中心部の西に位置するスビャトシンスキー地区で、少なくとも2つのビルが損壊した。通信アプリ「テレグラム」に投稿された写真には、投光器で照らされ、がれきの山を慎重に進み、建物の外壁に沿って伸びるはしごをよじ登る救助隊の姿が写っている。
ウクライナのクリメンコ内相によると、キーウとその周辺地域のほか、7つの州が大規模な攻撃を受けた。
北東部に位置する第2の都市ハリコフも2回にわたりミサイル攻撃があり、2人が負傷。キーウの西に位置するジトーミル州では、ロシア軍が火災現場で活動していた救助隊を繰り返し攻撃し、隊員1人が負傷した。中部ドニエプロペトロフスク州の工業都市パブロフラードでも被害が報告されている。
ウクライナ国鉄によると、鉄道インフラが攻撃を受け、鉄道員2人が負傷した。
ウクライナ空軍によると、ロシア軍は今回の攻撃にドローン145機とミサイル70発を投入。ミサイルのうち11発は弾道ミサイルだった。空軍は合計112の目標を撃墜したとしている。
ウクライナ軍関係筋はロイターに対し、今回の攻撃に北朝鮮製の弾道ミサイル「KN―23」(KN―23A)が使われたと明らかにした。
ロシア国防省はこの日、ウクライナの軍産複合体に対し、長距離高精度兵器とドローンを投入した大規模な一斉攻撃を実施したと表明。ウクライナの航空、ロケット・宇宙、機械製造、装甲車両生産産業の工場のほか、ロケット燃料と火薬の製造施設を攻撃したとした。
ロイターはロシア国防省の発表の真偽を確認できていない。