ニュース速報
ワールド

ウクライナ首都に今年最大規模の攻撃、12人死亡・90人負傷

2025年04月25日(金)01時25分

4月24日、ロシア軍は同日朝にかけてウクライナの首都キーウをミサイルとドローン(無人機)で攻撃し、少なくとも8人が死亡、子ども6人を含む70人以上が負傷した写真はロシアのミサイル攻撃を受けるキーウ。同日撮影(2025年 ロイター/Gleb Garanich)

[キーウ/モスクワ 24日 ロイター] - ロシア軍は24日朝にかけてウクライナの首都キーウをミサイルとドローン(無人機)で攻撃し、少なくとも12人が死亡、90人が負傷した。首都への攻撃としては今年最大規模となる。

ロシアによる大規模攻撃を受け、南アフリカを訪問していたウクライナのゼレンスキー大統領は、訪問日程を切り上げ帰国の途に就いた。ゼレンスキー氏は、米国が和平交渉の一環でロシアに強い圧力をかけている兆候は見られないとの認識を示している。

ウクライナ国家非常事態庁によると、攻撃によって40件もの火災が発生。キーウ市内13カ所でがれきに閉じ込められている人々の捜索活動を行われている。

キーウ市のクリチコ市長によると、最も被害が深刻なのは市中心部の西に位置するスビャトシンスキー地区で、少なくとも2つのビルが損壊した。通信アプリ「テレグラム」に投稿された写真には、投光器で照らされ、がれきの山を慎重に進み、建物の外壁に沿って伸びるはしごをよじ登る救助隊の姿が写っている。

ウクライナのクリメンコ内相によると、キーウとその周辺地域のほか、7つの州が大規模な攻撃を受けた。

北東部に位置する第2の都市ハリコフも2回にわたりミサイル攻撃があり、2人が負傷。キーウの西に位置するジトーミル州では、ロシア軍が火災現場で活動していた救助隊を繰り返し攻撃し、隊員1人が負傷した。中部ドニエプロペトロフスク州の工業都市パブロフラードでも被害が報告されている。

ウクライナ国鉄によると、鉄道インフラが攻撃を受け、鉄道員2人が負傷した。

ウクライナ空軍によると、ロシア軍は今回の攻撃にドローン145機とミサイル70発を投入。ミサイルのうち11発は弾道ミサイルだった。空軍は合計112の目標を撃墜したとしている。

ウクライナ軍関係筋はロイターに対し、今回の攻撃に北朝鮮製の弾道ミサイル「KN―23」(KN―23A)が使われたと明らかにした。

ロシア国防省はこの日、ウクライナの軍産複合体に対し、長距離高精度兵器とドローンを投入した大規模な一斉攻撃を実施したと表明。ウクライナの航空、ロケット・宇宙、機械製造、装甲車両生産産業の工場のほか、ロケット燃料と火薬の製造施設を攻撃したとした。

ロイターはロシア国防省の発表の真偽を確認できていない。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中