米の対外援助凍結、HIV新規感染が1日で2000人に=国連機関

3月24日、国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、米国が凍結した資金援助が再開されないか、代わりの資金源が確保されない場合、全世界で1日に2000人が新たにエイズウイルス(HIV)に感染し、エイズ関連の死者が10倍に増加する可能性があると警鐘を鳴らした。写真はUSAIDの旗。ワシントンで2月撮影(2025年 ロイター/Kent Nishimura)
[ジュネーブ 24日 ロイター] - 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は24日、米国が凍結した資金援助が再開されないか、代わりの資金源が確保されない場合、全世界で1日に2000人が新たにエイズウイルス(HIV)に感染し、エイズ関連の死者が10倍に増加する可能性があると警鐘を鳴らした。
トランプ大統領は1月20日の就任と同時に、対外援助のほぼすべてを凍結した。
UNAIDSのウィニー・ビャニマ事務局長はジュネーブで記者団に対し、公衆衛生向け資金の中断とより広範なサービスへの影響はエイズウイルス感染者とエイズ患者に計り知れない打撃を与えていると語った。
ビャニマ氏は「米国の突然の資金援助凍結で、多くの診療所が閉鎖され、何千人もの医療従事者が解雇されている」と強調した。米国際開発局(USAID)の資金援助が90日間の凍結期間後の4月に再開されない場合、あるいはほかの政府が代わって提供しない場合、今後4年間で630万人がエイズ関連で死亡する恐れがあると説明した。
最新のデータによれば、2023年の世界のエイズ関連の死者は60万人と報告されている。ビャニマ氏は「したがって、死者は10倍に増えるということだ」と述べた。
HIV感染症・エイズの予防と治療に向けて世界の対応を調整するUNAIDSは昨年、米国から5000万ドルの資金援助を受けており、これは同機関の予算全体の35%に相当する。