ニュース速報
ワールド

米ロス北部の新たな山火事、急拡大に歯止め 加州は25億ドル支援策

2025年01月24日(金)14時41分

 1月23日、ロサンゼルスの北約80キロに位置するキャスティーク・レイク地区で22日発生した新たな山火事「ヒューズ火災」は、強風と極度の乾燥が消化活動の妨げになるとみられている。カリフォルニア州サンタクラリタで22日撮影(2025年 ロイター/Ringo Chiu)

David Swanson Brendan O'Brien Brendan O'Brien

[キャスティーク(米カリフォルニア州) 23日 ロイター] - ロサンゼルスの北約80キロに位置するキャスティーク・レイク地区で発生した新たな山火事「ヒューズ火災」は23日、消火活動によって急速な拡大が食い止められた。

火災は1万0176エーカー(41平方キロ)に急速に広がったが、消防士4000人が消火活動にあたり、延焼面積はその後ほぼ横ばいとなった。同州消防当局によると鎮火率は24%に上昇した。この火災では住民3万1000人に避難命令が出されていた。

南カリフォルニアでは過去9カ月間まとまった雨が降らず危険な状況が続いているが、ロサンゼルス周辺では25日から週明け27日にかけて降雨が予想され、鎮静化が期待されている。ただ、別のリスクが生じる恐れもあり、ロサンゼルス市のバス市長は土砂崩れの可能性を警告している。

先に発生したパシフィックパリセーズ地区(鎮火率72%)と東部イートン地区(鎮火率95%)の火災は17日間延焼が続いており、これまでに28人が死亡、約1万6000棟の建物に被害が出ている。

このほか小規模な火災も複数発生している。その一つは23日早朝に発生し、美術館「ゲティ・センター」に近い幹線道路に沿って45エーカーを延焼したセプルベダ火災だ。一時は道路が閉鎖されたが、鎮火率は60%となった。

こうした中、同州のニューサム知事は25億ドルの被災地支援策を発表した。継続的な災害対応や復旧、がれき撤去などに充てられる。24日にはトランプ大統領が同州を訪問し、被害状況を視察する。

災害リスク解析を手掛ける米KCCは、ロサンゼルスの山火事による保険損害を約280億ドルと見積もっており、米国史上最も甚大な被害をもたらした山火事となる見通し。

ベリスク・アナリティクスも損害額の見積もりを280億─350億ドルとしている。

米国だけでなく欧州の保険会社も、数十億ドル相当の損害賠償請求に直面すると予想されている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

台湾閣僚、「中国は武力行使を準備」 陥落すればアジ

ワールド

米控訴裁、中南米4カ国からの移民の保護取り消しを支

ワールド

アングル:米保守派カーク氏殺害の疑い ユタ州在住の

ワールド

米トランプ政権、子ども死亡25例を「新型コロナワク
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    「AIで十分」事務職が減少...日本企業に人材採用抑制…
  • 9
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 7
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 4
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中